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12月11日-04号

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  1. 宮崎県議会 2007-12-11
    12月11日-04号


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    平成19年11月定例会平成19年12月11日 (火曜日) 午前10時0分開議  出 席 議 員(45名)   3番  川 添   博  (無所属の会 )   5番  武 井 俊 輔  (愛みやざき )   6番  西 村   賢  (  同   )   7番  河 野 安 幸  (自由民主党 )   8番  山 下 博 三  (  同   )   9番  黒 木 正 一  (  同   )   10番  松 村 悟 郎  (  同   )   12番  坂 口 博 美  (  同   )   13番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮                崎県議会議員団)   14番  高 橋   透  (社会民主党宮                   崎県議団)   15番  太 田 清 海  (  同   )   16番  外 山 良 治  (  同   )   17番  図 師 博 規  (愛みやざき )   18番  松 田 勝 則  (  同   )   19番  中 野 広 明  (自由民主党 )   20番  横 田 照 夫  (  同   )   21番  十 屋 幸 平  (  同   )   22番  押 川 修一郎  (  同   )   23番  外 山   衛  (  同   )   24番  宮 原 義 久  (  同   )   26番  田 口 雄 二  (民主党宮崎県                     議団)   27番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県                     議団)   28番  新 見 昌 安  (  同   )   29番  満 行 潤 一  (社会民主党宮                   崎県議団)   30番  徳 重 忠 夫  (自由民主党 )   31番  蓬 原 正 三  (  同   )   32番  浜 砂   守  (  同   )   33番  水 間 篤 典  (  同   )   34番  丸 山 裕次郎  (  同   )   35番  萩 原 耕 三  (  同   )   36番  黒 木 覚 市  (  同   )   37番  中 野 一 則  (  同   )   39番  井 上 紀代子  (民主党宮崎県                     議団)   40番  権 藤 梅 義  (  同   )   41番  長 友 安 弘  (公明党宮崎県                     議団)   43番  鳥 飼 謙 二  (社会民主党宮                   崎県議団)   45番  緒 嶋 雅 晃  (自由民主党 )   46番  井 本 英 雄  (  同   )   47番  星 原   透  (  同   )   48番  野 辺 修 光  (  同   )   49番  米 良 政 美  (自由民主党 )   50番  坂 元 裕 一  (  同   )   51番  外 山 三 博  (  同   )   52番  福 田 作 弥  (  同   )   53番  中 村 幸 一  (  同   ) ──────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事   東国原 英 夫  副  知  事   河 野 俊 嗣  総合政策本部長   村 社 秀 継  総 務 部 長   渡 辺 義 人  地域生活 部長   丸 山 文 民  福祉保健 部長   宮 本   尊  環境森林 部長   高 柳 憲 一  商工観光労働部長  高 山 幹 男  農政水産 部長   後 藤 仁 俊  県土整備 部長   野 口 宏 一  会 計 管理者   甲 斐 景早文  企 業 局 長   日 高 幸 平  病 院 局 長   植 木 英 範  財 政 課 長   和 田 雅 晴  教 育 委員長   江 藤 利 彦  教  育  長   高 山 耕 吉  警 察 本部長   相 浦 勇 二  代表 監査委員   城 倉 恒 雄  人事委員会事務局長 大 野 俊 郎 ──────────────────── 事務局職員出席者  事 務 局 長   石野田 幸 蔵  事 務 局次長   弓 削 孝 幸  総 務 課 長   馬 原 日出人  議 事 課 長   四 本   孝  政策調査 課長   富 永 博 章  議事 課長補佐   孫 田 英 美  議事担当 主幹   亀 澤 保 彦  議 事 課主査   山 中 康 二  議 事 課主査   隈 元 淳 二──────────────────── △一般質問 ○副議長(中村幸一) ただいまの出席議員43名。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、昨日に引き続き一般質問であります。 ただいまから一般質問に入ります。質問の通告がありますので、順次発言を許します。まず、22番押川修一郎議員。 ◆(押川修一郎議員) 〔登壇〕(拍手) 2日目のトップバッターをあずかりました押川でございます。 本日の朝刊を見られてお気づきだと思いますが、第21回国際青島太平洋マラソン大会が、9日、国道220号と一ツ葉有料道路メーンコースとして行われたということであります。今回、国内外から過去最高の約1万人以上の方がエントリーされたというふうに記事に書いてありました。もちろん知事も走っておられるわけでありますけれども、その効果も少しはあったのかなというふうに読ませていただいたところであります。1万人を超える大会でありますから、今後、恐らくメジャー大会の一つになってくるのかなという期待もしておるところであります。そうであれば、メーンストリートであります橘通りを往路か復路に使うようなことになればとつぶやきながら、実は新聞を読んだところでありまして、その日が来ることを期待しながら、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 既に12月、師走となりました。師走とは、主な語源説として、師匠の僧がお経を上げて回るために東西をはせる、いわゆる飛び回るというふうに解釈をされております。東国原知事におかれましては、ことしの1月知事就任以来、まさに東奔西走、宮崎のPRに、東京を初め精力的に走り回り、毎月が師走ではなかったかなというふうに思うところであります。そこで、就任後約1年、県政運営はどうであったのか、また、この約1年を振り返って、率直な感想を知事にお願いいたします。 それから、就任後約1年、知事のキャッチフレーズでありました「どげんかせんといかん」が流行語大賞ともなったほど、宮崎、いや、東国原英夫知事の知名度が上がったのではないかというふうに認識をしておるところであります。その中で、私は知事のブログを拝見させていただいています。知事のマニフェスト達成のためのお考えや行動など、御活躍が手にとるようにわかるような記事もよく目にします。例えば、これもブログでありますから、読ませていただきますが、11月14日、「まさに殺人的スケジュールである。いや、殺人スケジュールである。12日、福岡で企業立地説明会や県産木材のPRなど。夜、東京へ飛び、代官山のフランス料理店テレビ収録」、私は行ったことがありません。「終わったのが夜中の2時過ぎ。翌朝の13日は朝5時30分起床というか、ほとんど寝ていない。朝一の飛行機で宮崎へ。県庁で各種レク、表敬など。その後また東京へ。御飯を食べる暇もろくにない。東京で要望活動、その後、全国知事会。終わってテレビ収録など」、とても尋常な人間には体力、精神力とも続かないと思います。知事、お体を御自愛いただきたいと思いますが、この忙しさはいつまでお続けになるのでしょうか、あわせてお伺いをいたします。 一方、県職員から、レクに対する知事の反応がそっけないというような意見をよく耳にいたします。部下ですから、何もテレビ出演みたいなリアクションは要らないと思いますし、職員と十分な議論がされるかどうかということが大事ではないかなと思います。昨年から続く、官製談合事件、裏金問題での処分、返還金等、当然、不適正な処理をしてきた責任は負うべきですが、職員の士気が下がっていくのではないかというふうに感じております。山積する県政の課題解決に向けた、県民と地域の視点に立った事業の実施、今後の事業展開など、実働部隊であります職員と十分な検討、議論をされますように、また、そのような時間が本当にあるのか、これもお考えをお聞かせください。 次に、県立高等学校通学弾力化推進についてであります。 いよいよ来年度から、普通科の通学区域の廃止が予定されております。通学区の撤廃により、生徒たちがこれまで以上に、それぞれの個性や能力、適性に合った高校を適切に選択でき、魅力ある学校づくりが進められるというふうに書いてあります。しかしながら、希望する学校に生徒が集中し、人気校とそうでない高校との格差が広がっていくのではないかと危惧されております。また、新聞報道によりますと、中学校の現場では、進学指導の方向性が見えないとか、保護者からも、生徒が都市部に集中し、学校統廃合や地域衰退につながると、不安が訴えられております。生徒や保護者のニーズを踏まえた県立普通科高校の通学区域の撤廃については、導入に当たっての課題について調査研究を行うということでありますが、平成18年度事業である県立高等学校通学区域弾力化推進事業取り組み状況と成果について、教育長にお伺いをいたします。 壇上の質問はこれで終わり、後は自席のほうで質問をさせていただきます。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(東国原英夫君) 〔登壇〕 お答えいたします。 顧みますと、官製談合事件後、高病原性鳥インフルエンザが相次ぎ発生するという大変厳しい状況の中で県政運営がスタートし、見るもの、聞くものが新しいものばかりの未経験の世界で、全身全霊を傾け、必死の思いで取り組んできた月日であったように思います。具体的な取り組みとしては、入札・契約制度改革を初めとする県政改革の推進や、本県の将来を描く総合計画の策定等に努めるとともに、本県を県内外に積極的にPRしてまいりました。おかげをもちまして、いろいろな県産品が人気を呼び、県庁舎には県内外から連日大勢の方が来訪され、加えて、「どげんかせんといかん」という本県の方言が流行語大賞を受賞するなど、県産品の売り上げや観光客の増加、宮崎の知名度の向上については、一定の成果を上げることができたと考えております。 しかしながら、建設産業を初め厳しい状況下にある諸産業の活性化や、雇用の促進、高速道路など交通網の整備、さらには医療・福祉や教育といった暮らしの充実など、まだまだ解決していかなければならない課題が山積しております。また、今のこの宮崎ブームが未来永劫いつまでも続くわけではありません。今後とも、議会の皆様を初め県民の皆様の御理解と御支援をいただきながら、県民総力戦で宮崎の高次安定に努め、ブームから定番へをモットーに、新しい宮崎の実現に向けて、初心を忘れず精いっぱい努力してまいりたいと考えております。 続きまして、私のスケジュールについてであります。私は24時間、いつでも、どこでも知事としての職務を遂行する立場にあり、また、多くの県民の皆様からの要望に可能な限りこたえていきたいとの気持ちから、各種行事やイベントの対応を初め、表敬、陳情、県内各地の現場の実情把握、各種メディアを通じた宮崎県のPRなど、県民の皆様の福祉の向上のために精いっぱいの努力をしているつもりでありますが、結果として、スケジュールが過密になっている面があるかと思います。今後は、スケジュール管理を含め、健康に十分留意しながら、また、県政全般をつかさどる知事としての職責を踏まえて対応してまいりたいと考えております。 続きまして、職員との議論、関係についてであります。よりよい県政運営を行っていく上で、職員と大いに議論し、職員の持つ知識や経験といった力を最大限に引き出すこと、また、議論を通じて課題や施策に対する認識を共有することは、大変重要であると考えております。このため、可能な限り時間を確保し、県政の課題に関する検討の場や、予算編成、各種行事・大会等の打ち合わせ、さらには職員とのランチミーティング等々、いろいろな場所で職員と率直に話し合い、意見交換をし、力を合わせて県政運営に取り組めるように努力しているところでございます。以上です。〔降壇〕 ◎教育長(高山耕吉君) 〔登壇〕 お答えいたします。 通学区域弾力化推進事業につきましては、普通科の通学区域撤廃の円滑な導入を図るために、PTA代表者学校関係者等から成ります協力者会議におきまして、制度導入に伴う課題やその対応等につきましての御協議をいただき、入学志願手続の改善などに取り組んできたところでございます。また、新聞による広報や全中学生と保護者に向けたリーフレットの作成配布を行いまして、制度の趣旨や内容を周知いたしますとともに、各高校の特色ある学校づくりの推進を図ってきたところでございます。以上でございます。〔降壇〕 ◆(押川修一郎議員) それぞれありがとうございました。知事におかれましては、ただいま答弁があったように、まさにトップセールスとしての行動なり活動というものを、私たちもありがたく見守ろうと思っておるところであります。また、特に、職員のレクを初め、大会・行事等の打ち合わせ、これは今お聞きしたとおり、十分に職員の皆さん方とそういうことをやっていただかないと、知事がトップセールスとしてよそに出られる機会が多い。留守は、副知事初め優秀な職員の皆さん方が宮崎県を守っていただくという形の、2つの看板といいますか、持ちつ持たれつ、車で言えば前輪後輪でしょうけれども。そういう中で、知事が職員の皆さん方を今後どう自分の行動の実働部隊として網羅していただけるかということが大事だろうと思いますから、ぜひそのような方向で頑張っていただきたいと思います。 次に、教育長にお伺いいたしますが、教育長の今の答弁は、当然納得ができるような答弁ではないと私は思っております。宮日新聞が3日間にわたって記事の連載等もされておりますが、その中で特に、宮崎、都城、延岡市などの都市部を中心とし、郡部から私立高校を受験していた成績優秀な子供たちが参戦することによって、合格ラインが上がるんじゃないかとか、受験競争の激化や大学進学率など、学力だけにとらわれた高校の序列化が進むことを心配する声など残っておるという記事が載っておったところであります。私も、そういう都市部集中の中で、郡部の高校の定員割れ等も出てくるのではないかという危惧をしているところでありまして、そういったことが起こらないということで理解をしてもいいのかどうか、教育長に再度お伺いをいたします。 ◎教育長(高山耕吉君) 本県の普通科高校は、地域の方々の御支援もいただきながら、これまで、進学や就職や部活動などで着実な実績を残しておりまして、地域にしっかりと根づいております。生徒は、各学校の特色を十分理解した上で、通学距離等の条件も考慮しながら、個性や能力・適性に応じた学校を適切に選択するものと考えておりまして、通学区域撤廃後も、志願者の大きな変動はないというふうに考えております。現在、普通科高校では、教育内容の工夫改善や部活動の活性化、魅力ある学校行事など、特色ある学校づくりに鋭意取り組んでいるところでございます。県教育委員会といたしましても、これまでのいろんな事業、ハイスクール学力アップ総合推進事業とか中・高連携推進モデル事業等を積極的に推進しまして、普通科高校の特色づくりを進めてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 ◆(押川修一郎議員) 今まではそういうことで我々も理解をしておったところでありますけれども、今回は普通科高校の区域の撤廃でありますから、今まで行きたくても行けなかったということが、生徒にとっては広き門になりつつあるのではないか。今、教育長が言われたとおり、本年度までは、地域の皆さん方も地域の高校ということで、地域の学校が発展してもらうような形での協力があったというふうに考えておりますけれども、今、教育長のお話ではそうでありますが、20年度は校区撤廃されるわけであります。この状況を十分見ていただいて、必ず検証していただいて、見直しをする点が出てくれば、これも早速そういう方向の中で改善をしていただくというふうにお願いをしておきたいと思います。 次に、物流対策であります。 言うまでもなく本県は、大消費地である都市圏から遠隔地にあるということであります。産地間競争に打ち勝つためには、農産物を初めとする県産品の品質向上はもとより、輸送コストをいかに引き下げるかということが不可欠だと考えております。しかしながら、原油高騰によるコストの増加により、物流を担う陸・海・空の関係業者の経営が大変厳しい状況にあるわけであります。物流は、生産・流通の関係先が多岐にわたっており、産業活動を支える基盤となる効率的な物流体制の構築に向け、関係団体や民間事業者とともに連携を密にしていくことが必要ではないかというふうに考えております。今回、スカイネットアジア航空と全日空の共同による宮崎―東京間の貨物事業再開という喜ばしい状況はありますけれども、本県の物流対策について、今までどのように取り組んでこられたのか、また、今後どのように取り組んでいかれるつもりなのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(東国原英夫君) これまで県では、大消費地から遠隔地にある本県の物流効率化を図るために、高速道路を初めとする道路網の整備や、国内外との海上輸送の充実を図るための重要港湾の整備などを積極的に進めてまいりました。昭和40年代には、当時としては画期的であった本県と関東を結ぶ長距離フェリー航路を誘致し、その後、大阪航路等の就航も相まって、本県の物流体制の整備が進んできたところでございます。特に、農産物につきましては、川崎市の県有地の荷さばき基地としての整備や、海上輸送コスト削減のための冷蔵コンテナ専用シャシーの導入支援などを行ってまいりました。そのような中で、本県物流は、昨今の相次ぐ海上航路の休止や原油価格の高騰などにより、大変厳しい状況にあると認識しております。このため、東九州自動車道九州横断自動車道の早期整備を図るとともに、昨年就航した南王丸の利便性向上による海上輸送の拡充、JR貨物の利用促進など、本県物流の効率化に積極的に努めてまいりたいと考えております。 ◆(押川修一郎議員) 遠隔地という中で、緊急に燃料等が高騰してきた、そういう中で、海上等がなかなかうまく使えないというようなデメリットというものが出てきておりますし、この遠隔地の中で、今言われたような形で、過去のものと、今後の新しいものを構築しながら、何とか物流対策にも取り組んでいただきたいと思います。 あわせまして、平成18年度の政策評価においても、人・物の交流が広がる社会の中で、鉄道輸送、航空輸送、海上輸送機能の強化や効率的な物流体制整備など、どれをとってもC評価ということであり、一部に努力を要することと評価されております。物流は、JRや船、航空会社などの民間企業と荷受け先の調達など、生産・流通の関係者による調達が最も重要であるということであります。多岐にわたる物流の効率化を十分施策に反映させるためには、例えば、農林水産業、商工業などにおける流通に精通した職員を配置し、横断的な分野、いわば今の総合政策本部の中に、物流を専門的に担当する課を設置すべきではないかと考えております。この専門的な担当課の設置については、何度も本会議でやりとりされております。私も18年度の9月に質問させていただいたところでありますが、設置に至っておりません。知事、どのようにお考えでしょうか。私は、県政における重要課題こそ、縦割り行政ではなく、組織として横断的な体制、専門的な部局や課を設置すべきだと考えますが、前向きな回答をお願いいたします。 ◎知事(東国原英夫君) 物流の専門組織の設置についてでありますが、農産物を初めとする県産品の競争力向上や、企業立地の促進などによる県内産業の活性化を図るためには、物流体制を整備し、物流の効率化を図ることが大変重要であると考えております。また、物流は、農林水産業を初め産業全般にわたり、荷主や運送事業者など関係者が多岐にわたることから、庁内の関係部局間はもとより、民間事業者の実情も十分把握しながら施策を進めることが必要であると考えております。このため県では、庁内に物流協議会を設置し、関係部局間の連携のもとで、物流に関する情報や課題の共有化を図りながら物流対策に取り組んでおるところでございます。御質問の組織につきましては、より効果的な推進体制のあり方という観点から、今後研究させていただく所存でございます。 ◆(押川修一郎議員) ただいま知事から答弁をいただきました。その中に、物流協議会が設置されておるということでありますけれども、この物流協議会のメンバー並びに開催の頻度、内容等はどういうものを協議されておられるのか、地域生活部長にお願いいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 物流協議会につきましては、平成8年度に設置しておりまして、部としては、総合政策本部地域生活部環境森林部商工観光労働部農政水産部県土整備部及び警察本部の各担当リーダーで構成をしております。活動内容でありますけれども、総合交通課が事務局となりまして、関東航路への対応など横断的な取り組みを要する物流対策について協議を行いますとともに、日ごろから、構成メンバー同士での情報交換や課題の共有化を図っているところであります。開催頻度でありますけれども、協議内容によりますが、年に2~3回は開いて、その都度課題等の解決策とか対応方策を協議しているところであります。以上であります。 ◆(押川修一郎議員) ただいま地域生活部長からお話を伺ったところでありますが、これだけ多岐にわたる宮崎県産品の消費地への流通をどうするかということが一番大事なわけであります。それを、今お話があったとおり、県の各部の皆さん方がお集まりになって、年に2回か3回程度協議をされる。そういう頻度で果たして―この遠距離の宮崎の農業を初めとした県産品が大消費地に行く中で、コストが下がるかということが大事だと思いますし、これはやはり先ほど知事にも申し上げましたけれども、この頻度を、開催を多くしながら、一番の解決策は流通対策をどうするかということだろうと私は思っております。今まで私も3名の知事に接することができました。松形元知事、安藤前知事、そして現在の東国原知事であります。知事、やはり新しい発想の中で、知事がこれだけお忙しい方でありますから、知事がやはりトップセールスとして、大都市圏を中心にいろんなところに出向いていただいて宮崎県のPRをしていただく。そういう外に向けて知事が活躍されれば、私は、宮崎県においては、副知事を中心として、新しく部署を開設して、そこに横断的に職員が入って、専門的な物流体制、流通体制に特化する、そういう課をつくっていかないといけないというふうに考えておりますが、再度知事にお願いをしたいと思います。 ◎知事(東国原英夫君) おっしゃるとおり、物流というのは総合的な面があります。例えば農産物とか鉱工業製品といったものを、一つのコンテナ、一つの物流手段で集積して運ぶというのは、コスト的にも安くなりますし、非常に効率がいいわけでございますが、民間の方たちも含めて、なかなかそれを集積できない、集積するのが難しいというのが現状だったような気がします。そうも聞いております。ですから、今後は、私も県民総力戦と言っておりますから、そういったものの集中・集積も図りながら、そういう組織をつくるかどうかは別にして、今後、部局横断的に考えていかなきゃいけないとは思っております。 ◆(押川修一郎議員) ぜひそういう方向で、知事にはお願いをしておきたいと思います。私は、そのことができるかできないかで、宮崎県のこれからの農業を中心とした第1次産業の発展に必ず貢献できる、そのように考えております。そのことは、職員の皆さん方に専門的な形の中でやっていただく、そういうことに期待をして、次の質問に移りたいと思います。 御案内のとおり、施設園芸の重油高騰対策であります。今も申し上げましたとおり、本県は畜産と並び施設園芸の盛んなところであります。世界的な原油高騰を受けて、最新の重油価格も80円を超えたという状況であります。これは16年度の同期、12月と比べると2倍近くの価格にはね上がっておるところであります。生産農家は悲鳴を上げておられます。例えばピーマンで試算をしてみますと、16年度、重油44円、10アールの所得が125万4,000円であります。18年度、重油85円と仮定したときに、10アール当たりの所得が55万3,000円でありますから、44%に落ち込むということでありまして、さらに重油等が値上がりをすると、営農も維持できないのではないかと危惧しておるところであります。そこで、現在、県が実施しております代替エネルギーの検討状況について農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(後藤仁俊君) 代替エネルギーの検討状況についてでございますが、昨年8月に、宮崎県農業用新エネルギー検討に関する連絡会議を設置いたしまして、木質ペレット等の実用性について検討を行いまして、A重油と同等の暖房効果を確認したところでございます。本年度につきましては、木質ペレットを燃料とした加温機に加えまして、ヒート用ポンプを活用したハイブリット式加温機について、ピーマン、マンゴーで実用性の検討を進めているところでございます。 ◆(押川修一郎議員) 私も、木質ペレット加温機で、今回、ピーマン栽培の展示圃の池田さんのところに足を運んでみました。新聞で見たときには大型の木質を使う加温機だったんですが、コンパクトに改善をされておりまして、ハウスの中にその施設も入っておるような状況でありました。そして、燃料を燃やすときの音等も、現在のネポン社製の加温機あたりと遜色がないというようなお話も聞いたところであります。池田さんの話によりますと、私が行ったのがちょうど12月の初めでありましたから、11月いっぱいと仮定すれば、対照区の圃場とこの木質ペレットを入れた加温機の燃料あたりを試算されておりましたけれども、旧来のネポン社製のほうが約16万円、木質ペレットを使っておられるのが4万円ということで、4分の1のコストで加温ができるという話をされておられました。それから、もう一つのハイブリット式でありますけれども、これも西都の堀田さんのところに行ってみました。ここでもハウスの中にネポン社製と併設でハイブリット式の、ファンでありますけど、これは電気で起こすものです。これが設置してありまして、それを見てきたところであります。御本人にもお話をしたところでありますけれども、ここも深夜料金を使ってやられるということで、深夜料金がどのくらいになるかわからないけれども、重油の換算では、何と、加温機が入っているほうが800リッターの80円と仮定して6万4,000円、そしてファンが入っているほうが、40リッターだったというふうに記憶しておりますけれども、3,400~3,500円ということでありますから、いかに効果が出ておるかということは、私も両方の展示圃を見せていただいて理解したところであります。価格がどうも高いというふうに聞いております。ネポン社製の加温機300型で恐らく今、100万円近くするのではないかと思います。そこで、この両方の価格を教えていただければありがたいと思いますが、部長、お願いいたします。 ◎農政水産部長(後藤仁俊君) 木質ペレット加温機につきましては、現在開発中でありますことから、重油加温機の約3倍程度の価格となっております。それから、ハイブリット式加温機につきましては、重油加温機にヒートポンプを追加して設置しますために、重油加温機単体に比べまして、約2倍から3倍の導入コストがかかるというふうに承知しております。
    ◆(押川修一郎議員) ただいま部長から答弁があったとおり、現状のネポン社製加温機あたりとすると両方2倍から3倍するということでありまして、この効果はいいというふうに、恐らく来年の5月あたりには結果が出るだろうというふうに、私も期待をしておるところでありますけれども、これを農家の皆さん方に導入していただくと、かなりのコスト高になってくる。せっかくいいものを代替エネルギーとして今研究される中で、これが実用化になれば、何とかこれを国庫補助等の対象にするような形で、国あたりに要望とかできないものだろうか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(東国原英夫君) 今の段階で補助制度があるかどうかというのは把握しておりませんが、十分検討して、もし補助とかそういうものが出るのであれば、国に対して要望はしていきたいと思っております。 ◆(押川修一郎議員) これは横断的な中でも結構でありますから、それぞれ協議をしていただいて、ぜひそういう方向で前向きにお願いをしたいと思います。 それから、優良牛の県内保留についてであります。10月11日から14日、鳥取県で開催された第9回全国和牛能力共進会で、御案内のとおり、本県が誇る宮崎牛が大会史上最高の成績をおさめました。38道府県から選ばれた約500頭が参加した今大会、本県は種牛と肉牛の2部門9区分で28頭を出品し、7区分で優等首席を獲得、さらに内閣総理大臣賞を両部門で受賞し、名実ともに日本一となったわけであります。全国から熱い視線が注がれておるということでありまして、関係者の皆さん方には本当に心からおめでとうございますと言葉を添えたいと思います。そこでお尋ねいたしますけれども、優良牛の県内保留について、県はどのような対策に取り組んでおられるのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(後藤仁俊君) 優秀な遺伝資源を後世に残しまして、本県の肉用牛の生産基盤をさらに強化するためには、優良な雌子牛の県内保留を進めることが重要であります。県といたしましては、県単独事業と国庫補助事業によりまして保留牛に対する助成を行うことで、県内保留に努めてきたところであります。県内保留対策につきましては、国庫事業の要件が厳しくなりましたけれども、県単独事業におきまして、保留枠666頭を見直しまして880頭に拡大したところであります。今後とも、優良雌子牛の県内保留を推進し、良質な宮崎牛の生産の拡大を図ってまいりたいと思っております。 ◆(押川修一郎議員) ただいま部長からも、県単事業の中で県の優秀な牛を保留していくということで、666を880頭に拡大して本年度は対応されたということでありまして、まさにありがたいことだなと思います。知事も今回のこの和牛品評会、物すごく喜んでおられたようであります。私たちももちろんそうでありますけれども、国のこういった事業等が少なくなってくる中で、この5年間、日本一の宮崎県の保留牛をどう対策していくかということが今後大事だろうというふうに思うわけであります。20年度以降も、これはぜひ県単事業で保留枠を維持あるいは拡大してほしいと思うわけでありますが、率直な知事の考え方をお聞かせください。 ◎知事(東国原英夫君) 全国共進会で日本一の栄誉に輝いたことから、本県産の優良な雌子牛が今まで以上に注目されております。今後、他県から繁殖用素牛としての需要がさらに高まることが予想されます。このため、優良な雌子牛を県内に残すことにより、全国共進会でいただいた宮崎牛ブランドの評価をさらに高め、確立していくことが極めて重要であり、関係機関一体となりまして、県内保留対策を今後とも推進していきたいと考えております。 ◆(押川修一郎議員) ぜひよろしくお願いをしておきたいと思います。 次に、平成19年早期水稲でありますが、長雨、日照不足、台風の相次ぐ来襲によって、過去55年で最悪の被害となったところであります。特に今回の被害においては、収穫前に品質低下が予想できず、収穫後に初めて規格外米の発生等がわかった状況でありまして、これは9月議会で質疑が相当あったところであります。このことを受けて、私たちは、稲作農家の今後の減収補償と、来年、意欲を持って米づくりができるような支援政策を、政治としてしっかりやらないかんということで、8月20日でありましたが、自民党の本県選出の江藤、古川両国会議員と一緒になりまして、自民党環境農林水産正副部長とで、若林農林水産大臣、自民党本部には八頭総合農政調査会長にお会いいたしまして要望したところであります。若林大臣からは、共済制度の対応は難しい、何らかの対応を考えたいということでありましたけれども、八頭総合農政調査会長は、政治的決着を図らないかんだろうということで、ありがたいお言葉をいただいたところであります。そのことを受け、県もあるいは農業団体も、農林水産大臣等に要望されたというふうに聞いておりますし、これらの活動が、今回、農業共済の特別積立金を活用した経済的支援措置の創設につながったのではないかというふうに考えております。そこで今回、この農業共済による早期水稲被害農家への支援措置についてどう評価されておられるか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(後藤仁俊君) 農業共済による支援措置につきましては、県といたしましては、8月24日に現地を訪れられました農林水産省の保険監理官に対し、また8月29日には、若林農林水産大臣に対しまして、早期水稲被害農家への救済措置の実施を要望したところであります。また、それぞれの関係者の要望活動等もございまして、今回、宮崎と鹿児島だけを対象として、初めて、先ほどお話ございました農業共済の特別積立金を活用しました経済的支援措置の創設につながったと認識しております。これによりまして、県内の早期水稲農家の今年産の収入補てんの一助となりますとともに、来年も米生産に意欲を持って取り組んでいただけるように期待いたしておるところであります。 ◆(押川修一郎議員) ただいま農政水産部長からもお答えがあったところでありますが、過去に例のないような対策を今回打っていただいたということでありまして、生産農家からも喜びの声が我々自民党のほうにも届いておることは事実であります。そこで、県は、来年度に向けて、農家が意欲を持って生産に取り組めるように、どのような対策を講じようとしているのか、補正予算を含めて知事にお伺いいたします。 ◎知事(東国原英夫君) 本議会に補正予算として計上させていただいた早期水稲被害緊急対策事業につきましては、災害に強い安定した生産体制を緊急に構築するため、担い手対策や災害補償対策の周知徹底と品質低下にも対応できる共済制度への加入促進、土づくりなど災害に強い技術対策の推進などによるセーフティネット対策を実施するとともに、災害により不足した来年用の早期水稲種子確保対策を実施するものでございます。県といたしましては、今回の支援対策にとどまらず、来年度以降、再発防止に向けた収穫前品質判定体制の構築を図るとともに、国、市町村、農業団体、それぞれが講じる対策を一体的に進めることによりまして、農家が意欲を持って今後も早期水稲の生産ができるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆(押川修一郎議員) よろしくお願いしておきたいと思います。 次に、農地・水・環境保全向上対策についてであります。本年度から、戦後最大の農政改革と言われます品目横断的経営安定対策が導入され、担い手の育成確保に向けた取り組みが始まったところであります。さらに、その車の両輪という施策の位置づけ、農地・水・環境保全向上対策が地域振興策として実施されているところであります。本県におきましては、農業従事者の減少、高齢化、混住化等が進み、農村地域の集落機能といいますか、いわゆる地域力が減退していく中、農業者、地域住民が一体となって、極めて貴重な資源である農地、農業用水等の農業資源や農村の環境を守り育てていくという、この農地・水・環境保全対策の果たす役割は、今後ますます大きくなっていくと思われます。そこで、本県における農地・水・環境保全向上対策の本年度の取り組みについて、対策と効果を農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(後藤仁俊君) 本年度の農地・水・環境保全向上対策につきましては、農業者に加え、地域住民、自治会及び子供会などが幅広く参画して設立した197の組織が、約1万ヘクタールの農地を対象に活動に取り組んでおります。これらの組織では、水路の草刈りなどに加えまして、従前は余り実施されていなかった施設を長寿命化させる活動、それから、ホタルの再生などの環境を維持向上させる取り組みも数多く実施されております。このような地域ぐるみでの活動によりまして、農村地域の集落機能が向上しますし、地域の活性化につながるものと考えております。県といたしましては、平成20年度からの新たな地区の取り組みも含めまして、積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆(押川修一郎議員) 実は、私の集落も、本年度からこの事業に取り組んだところであります。農村といえば、稲刈り等が終わったところあたりは、次年度に田植えをするぐらいまで、車が通る道がわからないような農道というのも実はあるわけでありますが、今回は、集落の皆さん方が一緒になって、自分が通っても通らんでも、そういったところの草刈り等を初め、用水路の整備とかそういったものをしておりますし、沿道等については、草花を植えたりしながら環境の保全等に努めておるところであります。ぜひこの運動を広げていただくような形で、私のほうからもお願いをしておきたいと思います。 次に、中山間地対策についてであります。中山間地域は、農林水産物の供給はもとより、国土の保全や水資源の涵養、地球温暖化の防止等の多面的な機能を果たしていますが、人々が定住することが基本だろうというふうに思います。中山間地域の森林や農地を適正に管理していくためには、それを担う人が安心して定住できる環境、生活できる所得を確保することが不可欠であるというふうに思います。そこで、中山間地域では、気象条件や標高差などの変化に富んだ立地条件を生かして、露地野菜や花卉などの立体園芸や、地域に伝承されてきた作物など、中山間地域の特性を生かした取り組みも多く見られます。このような状況を踏まえ、中山間地域の特性を生かした農業の振興、所得の確保について、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(後藤仁俊君) 中山間地域の農業を振興するためには、地域の気象条件等を生かした商品性の高い農産物の生産に取り組むことが重要であると認識しております。このため、県といたしましては、デルフィニウムやトマトなどの施設園芸品目の導入や、肉用牛の増頭対策等に取り組むとともに、直接支払制度を実施しまして、農業所得の確保に向けた支援を行ってまいりました。また、県外の加工業者とも連携しまして、地域特産品の開発・販売を行うなど、所得確保に向けた独自の取り組みも行われつつあります。県といたしましては、地域農業の担い手の主体的な取り組みの促進や、地域の特徴を生かした生産性の高い品目の導入と商品価値の向上、さらには、地域の条件に即した生産基盤の整備など、農業分野の取り組みを進めるとともに、関係部局と緊密に連携しながら、地域全体の所得の確保につながる総合的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆(押川修一郎議員) ぜひ、林業プラスそういう形の中で、所得の確保というのが大事だろうと思いますし、これは以前から議論がされておりますとおり、建設業関係の雇用の場の一つでもありますから、そういったものを含む中できっちりと所得の確保をしていただきたい、そのように思います。 そういう中で、長伐期施業について質問したいと思います。林業の採算性の悪化に伴って、一たん伐採しても再造林の費用がかさむことから、森林所有者の造林意欲がわかない状況にあります。山での所得を確保していくためには、皆伐せずに間伐を繰り返しながら定期的に収入を得ていく長伐期施業の取り組みを進めていくことが必要だと考えますが、基本的な考え方について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) 伐採時期を通常の2倍程度に延長しまして、その間、間伐を繰り返して行います長伐期施業については、森林資源が充実している本県にとりましては、森林の公益的機能の維持を図りながら、森林所有者の安定的な所得を確保する上で、大変有効な施業方法であると考えております。しかしながら、長伐期施業につきましては、施業に適した地形や地質等の自然条件を明らかにするとともに、大径木―これは直径の大きい木のことですが―生産のための間伐の方法などを確立する必要がございます。このため、今年度、長伐期施業の技術指針を作成することとしており、今後、この指針をもとに、高齢級間伐の補助金等を活用しながら、森林所有者等に対する普及を図ってまいりたいと考えております。 ◆(押川修一郎議員) ありがとうございます。ぜひそういう形で、今後、モデルでも結構でありますから、そういったものを進めながら、宝の山が本当に存続するような形でお願いをしていきたいと思います。 それから次に、限界集落についてであります。こういう名前を使っていいのかわかりませんけれども、長野大学の大野教授によれば、過疎化、高齢化が著しく、人口の50%以上が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落を限界集落と言われておるそうであります。平成12年(西暦2000年)に限界自治体となっていたのは、中国地方の1自治体であったものが、2015年には51自治体、2030年には144自治体に拡大していくと言っておられます。国土交通省の調査でも、10年以内に消滅する可能性のある集落が全国で422集落、いずれ消滅する可能性のある集落が2,219集落、合わせて2,641集落が極めて厳しい状況に置かれているという調査報告が出ております。 限界集落に関係する146市町村が政策提案をしていこうと、全国水源の里連絡協議会を11月30日に設立、本県からは諸塚村が参加されております。こういう動きを踏まえ、国においても福田首相を本部長とする地域活性化統合本部が、やっと地方再生戦略の柱として限界集落対策を掲げ、地域の自由な発想を尊重した施策を関係省庁横断で支援していこうという方向を示したということであります。 そこで、県におかれましても、平成20年度の当初予算編成方針において、厳しい財政事情の中でありますけれども、重点施策の一つとして中山間地域対策を取り上げられておりますが、限界集落―と呼んでいいのかわかりませんが―を初めとする中山間地域の振興について、知事の認識と基本的な考え方をお伺いいたします。 ◎知事(東国原英夫君) 中山間地域を取り巻く状況というのは、過疎化・高齢化の進展に伴い、生活利便性や集落機能の低下など非常に厳しいものがあり、御質問にありましたように、限界集落の問題も叫ばれているところでございます。このような限界集落や中山間地域は、地域住民の生活の場であるだけでなく、国土の保全、水源の涵養など、重要な役割を担うとともに、日本のふるさとの原風景とも言える個性や魅力があり、安らぎやいやしの場にもなっております。したがいまして、中山間地域対策については、本県が直面する喫緊の課題としてとらえ、平成20年度重点施策の一つとして掲げたところであり、中山間地域の活力再生を図るため、その実態を踏まえた短期的・中長期的施策を総合的に展開する必要があると考えております。 ◆(押川修一郎議員) 国においては、20年度から3カ年で都道府県ごとに複数の計画を選び、毎年度数千万円規模の支援を行う見込みだと聞いておりますが、このことについて知事はどう対応されるか、最後にお聞きいたします。 ◎知事(東国原英夫君) 今後、国の施策等も十分に勘案しながら、県といたしましても対応してまいりたいと考えております。 ◆(押川修一郎議員) 食育並びに一般財源については、時間がありませんので、以上をもちまして私の質問を終わりますけれども、知事、こういう状況の中であります。ぜひ横断的な職員の部・課の設置あたり、再度要望を申し上げまして、すべての質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(中村幸一) 次は、9番黒木正一議員。 ◆(黒木正一議員) 〔登壇〕(拍手) 黒木正一でございます。通告どおり一般質問を行います。 私の住んでおります諸塚村から、昭和38年から46年までの2期8年間、県議会議員を務められた古本十三郎さんという方がおられます。もう既に亡くなられましたが、今からおよそ40年前、山村の田舎からどういう思いで県議会議員に出ておられたのだろうか、そういう興味で古い会議録を調べてみました。議会での質問は、8年間ずっと一貫して、山村の抱えている困難な状況を訴えたものでありました。昭和42年6月議会での質問を引用いたします。「現在の山村は、政治の谷間にあります。山村地帯の実情を認識されまして十分な手を差し伸べていただきたいものであります。山村対策はおくれており、格差は次第に離れつつあります。手の打ち方によっては山村を生かすことは不可能ではありません。県はいろいろ手を打っており、県の計画に対しては敬意と感謝をしておりますが、現在の対策ぐらいでは山村の格差是正は不可能と思います。思い切って急速な手を打たなければ手おくれとなって、救うことは困難になります」、このように述べ、交通網の整備、医療や教育格差の是正、産業の振興などを訴えております。 確かに、道路交通網の整備は進みました。当時は、日向市から椎葉までバスで4時間かかっていたそうでありますが、日向から諸塚までは2時間半ということで、現在は約半分の時間短縮が行われております。そのように道路網整備は進みました。生活も便利になりました。しかし、本質的な問題は現在とぴったりと重なり合うのに驚きました。40年たっても、社会格差はより複雑になって拡大していると思えてなりません。先輩の質問も参考にしながら、押川議員に引き続き、再び中山間地域の抱える諸問題について質問をいたします。 最初に、知事に、来年度予算編成方針についてお伺いします。来年度予算編成の重点施策として、中山間地域・植栽未済地対策、子育て・医療対策、建設産業対策を特に重点的に取り組む方針を示しておりますが、その理由についてお伺いいたします。 後は自席から質問を行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(東国原英夫君) 〔登壇〕 お答えいたします。 平成20年度重点施策についてでありますが、厳しい財政状況の中、予算編成に当たっては、選択と集中の理念のもと、真に必要な施策・事業について重点的措置を講じる必要があります。このため、「新みやざき創造戦略」に掲げる重点施策や、本県が直面する喫緊の課題を踏まえ、平成20年度においては、中山間地域・植栽未済地対策、子育て・医療対策、建設産業対策の3つを特に重点的に取り組む施策として、当初予算編成方針にも明記したところでございます。 1つ目に、中山間地域対策と植栽未済地対策を掲げておりますが、本県の県土の多くを占める中山間地域については、人口減少や高齢化の進行等により、地域活力が低下しており、維持・存続が危ぶまれる集落も見られるところであります。また森林・林業においては、現在約2,000ヘクタールの植栽未済地が存在し、水資源の涵養や山地災害防止など、森林の有する公益的機能の低下が懸念されております。「森林が滅びれば国土が滅びる、地方が滅びれば国が滅びる」、私はこのような思いから、中山間地域の振興や植栽未済地の解消を重点施策の筆頭に掲げたところであります。次に、少子化や医師不足といった課題に的確に対応するために、子育て対策と医療対策を、さらに、近年の建設投資の大幅な減少や入札制度改革により、大変厳しい経営環境にある建設産業対策を掲げたところであります。以上、いずれも解決が困難な施策テーマではありますが、来年度の予算編成において、その解決の糸口を目に見える形で県民の皆様にお示ししていきたいと考えております。以上です。〔降壇〕 ◆(黒木正一議員) 私は、前回の質問のときに、知事のマニフェストには中山間地域への思いが伝わってこないと申しましたが、中山間地域対策と植栽未済地対策を、本県が直面する喫緊の課題として来年度予算編成方針重点施策の筆頭に上げていることを、大変うれしく思うものであります。先月末、政府の地域活性化統合本部は、地域格差是正に向けた地方再生戦略、いわゆるマスタープランを決定し、その柱の一つとして限界集落対策を掲げたほか、来年度から地方の元気再生事業を創設し、地域の自由な発想を尊重した施策にも取り組む方針とされております。また、国においては、地球温暖化防止対策の観点から、今後6年間で330万ヘクタールの間伐を推進することが必要として、昨年度に引き続き、平成19年度補正予算の検討作業が進んでいると聞いております。中山間地域は、過疎化・高齢化に加えて、長期的な材価の低迷、公共工事の減少に伴う建設産業の不振など、極めて厳しい状況にあり、これらの施策の展開に、地元は大いに期待をしているところであります。どうか植栽未済地の解消ばかりでなく、間伐の推進などの森林の整備にも積極的に取り組んでいただいて、安定した所得や雇用の確保につながるような対策をお願いするとともに、一過性で終わることのないよう、腰を据えた中山間地域対策に取り組んでいただきたいと、強く要望しておきたいと思います。 次に、中山間地域の総合的な対策について質問をいたします。10月中旬に中山間地域振興特別委員会で、中国地方の山口・広島・島根県の中山間地域振興の取り組みについて調査を行いました。山口県においては中山間地域振興条例を平成18年度に制定、広島県においては全国でも早い時期、平成9年に中山間地域活性化対策基本方針を策定、島根県においては全国唯一の中山間地域研究センターを設置するなど、中山間地域の役割、定義の明確化と県の責任の明確化を図り、活性化に向けて取り組んでおりました。また、島根県の中山間地域研究センターを核として、中国5県で連携し、共同研究、共同事業を行うなど、地域再生へ向けての取り組みも行われておりました。本県においても、活力再生を図るための施策を総合的に展開する必要があると思いますが、どのように進められるのか、総合政策本部長にお考えをお伺いいたします。 ◎総合政策本部長(村社秀継君) 中山間地域を振興していくためには、そこで暮らしている住民の生活環境の整備はもとより、集落機能の維持あるいは産業の振興、都市部との交流の促進、あるいは多面的機能の確保など、総合的な対策を講じていく必要があると考えておるところでございます。このようなことを踏まえ、関係する部局間において、十分連携を図りながら対応を図っていくとともに、御質問にもありました他県の取り組み事例なども参考にしながら、施策の構築を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆(黒木正一議員) 島根県の中山間地域研究センターのパンフレットの表紙に、「生命地域宣言」と題して、「中山間地域は、私たちの生命地域です。20世紀は、都市の世紀でした。多くの人々が、自然豊かな緑の大地を離れ、日々暮らすようになりました。しかし、生命を育む地域のことを忘れた文明は、行き詰まろうとしています。21世紀、「奪う」暮らしから「育てる」暮らしへ。中山間地域へ、そして中山間地域から、新しい生き方を始めませんか。新しい地域をつくりませんか。今ここに、環境の世紀における先進空間として中山間地域の再生を宣言します」、こう書かれてあります。行き詰まろうとしている社会、東京でさえ10年後には高齢化率が3割近くになると予想されています。不利な条件ゆえに、高齢化という将来の日本の最大の問題に直面する中山間地域、ここを最前線ととらえ、この地にこそ新しい生き方が生まれてくると位置づけております。宮崎県の希望に満ちた中山間地域対策を望むものであります。 次に、集落の状況調査についてお伺いします。国土形成計画策定のための集落の状況に関する現況把握調査、つまり国の集落状況調査が発表されて、厳しい集落の実態が明らかとなり、各方面で話題となっております。本県においても調査が行われておりますが、その状況はどうなっておりますか、地域生活部長にお尋ねいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 御質問の調査につきましては、県内の過疎地域等市町村の集落の実態を把握いたしますとともに、前回、平成13年度に実施をしておりますけれども、その調査データと経年比較をいたしまして、過疎地域における集落状況の変化を把握すること等によりまして、今後の集落整備のあり方に関する検討の基礎資料とするため、市町村に対してアンケート調査を実施したものであります。現在、市町村からの回答を集計し、精査中でありますので、近日中に調査結果を公表できるものと考えております。以上です。 ◆(黒木正一議員) 今後の集落整備のあり方に関する検討の基礎資料を得るために実施しているということでありますが、島根県の中山間地域研究センターが、「集落の衰退・消滅のメカニズム」という研究成果を出しています。それによりますと、限界化の初期は世帯や人口が急激に減少するが、集落機能の低下はまだまだ穏やかである。しかし、臨界点を超すと機能は急速に低下し、どんな対策をとっても再生は難しい。対策は臨界点までの勝負である。臨界点は、世帯の数が役の数を下回ったときと言っております。つまり、一人が二役を持つようになったときが対策の臨界点と分析しております。結果を十分に検討されまして、適切な対策をとっていただきたいと思います。 次に、過疎法についてお尋ねをいたします。昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が制定されて以来、平成12年に過疎地域自立促進特別措置法が制定され、これらの法律に基づき、全国では76兆円に及ぶ投資が行われ、宮崎県におきましても計画を策定、多くの事業に取り組み、道路等社会資本の整備、生活環境の改善・向上が図られてきました。これまでの過疎法が本県において果たしてきた役割についてどう考えておられるのか、お伺いします。また、過疎法が延長されないというような事態になりますと、過疎地域は極めて深刻な状況になると考えられます。広島県においては、2年後に期限切れとなることに備えて、過疎法対策プロジェクトチームを設けるなど、積極的に新法へ向けて取り組みをしているようであります。本県の取り組みについても、地域生活部長にお尋ねいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 過疎地域対策につきましては、昭和45年の過疎地域対策緊急措置法の施行以来、国、市町村と連携しながら、交通・通信体系の整備、生活環境の整備など、全庁挙げて総合的な対策に取り組んできたところであります。こうした取り組みの結果、過疎地域における社会資本の整備は着実に進するなど、一定の成果を上げてきたと考えておるところであります。しかしながら、急速な少子高齢化の進行、あるいは過疎地域を取り巻く環境は依然として厳しいものとなっており、県といたしましても、過疎地域に対するさらなる支援が必要であると考えております。したがいまして、今後とも国、市町村と連携をしながら、引き続き、社会資本の整備を進めますとともに、産業の振興や交流人口の拡大に努めるなど、地域の実情に応じたさまざまな施策を総合的に講じながら、過疎地域の振興を図ってまいりたいと思います。 それと、過疎法の延長についてですけれども、今、庁内でもいろいろ議論を始めておりますので、地方にとっていい内容の法律となりますよう頑張っていきたいと考えております。以上です。 ◆(黒木正一議員) 知事にお尋ねしますが、2年後に期限切れとなる過疎法の後の新法について、どのように取り組むか、お尋ねをいたします。 ◎知事(東国原英夫君) 新法の国の法案等々も十分に勘案しながら対処していきたいと思っております。 ◆(黒木正一議員) 現在、政府においても、新法へ向けての取り組みが始まっているようでありますので、ぜひ過疎地域を多く抱える宮崎県といたしましても、新法へ向けて熱心に取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、シカの食害について、以下、環境森林部長にお尋ねをいたします。 鳥獣害の問題については、前回も質問いたしました。今回は、特にシカの食害対策についてお伺いします。野生鳥獣による農産物被害は全国で約200億円。けもの類が約6割、鳥類が約4割。イノシシや猿、シカによる被害が全体の約5割、けもの類の被害の約9割を占めていると言われております。西日本を中心に多かったイノシシによる被害が東日本にも拡大するなど、被害は全国に広がっております。生息分布域は30年前と比べて、イノシシが1.3倍、ニホンジカが1.7倍、ニホンザルが1.5倍と拡大しており、シカが最も生息域を広げていると言われております。本県では、シカの生息密度調査を実施されておりますが、調査の方法とその結果についてお伺いいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) シカにつきましては、平成7年度から、県内を6ブロックに分けまして、毎年度1から2ブロックを対象に、一定区域のシカのふんの数から生息数を推定する、いわゆるふん粒法という方法を用いて生息数の調査を実施しております。また、平成18年度につきましては、耳川と一ツ瀬川に挟まれたブロックについて調査を行ったところでありまして、県全体の生息数は約5万2,000頭と推定され、平成17年度と比較しますと約9,000頭の増加となっております。 ◆(黒木正一議員) 部長に確認いたしますけれども、9,000頭というのは1年間でふえた数でしょうか。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) 平成18年度が約5万2,000頭ということで、17年度との比較でございます。1年で9,000頭ということになります。 ◆(黒木正一議員) 9,000頭ものシカが1年でふえると。1頭1頭数えたわけではありませんでしょうけれども、これは異常なふえ方ではないかというふうに思います。このままでは山村はサファリパークのような状況になるのではないかというふうに、本当に心配されます。先日、椎葉村尾前というところに行きました。そこでイノシシやシカ狩りをしている猟師の方の話を聞きました。宮崎、熊本、鹿児島3県合同で年数回狩猟し、相当数のシカを捕獲するけれども、シカによる食害が一年一年多くなっていると。造林したヒノキ、杉だけではなく、雑木の若芽を食べているので、これからは雑木も育たなくなるのではないかと。実際、椎葉村にあります九州大学の演習林などでは、下草が食べられて、ほうきで掃いたようにきれいになっている、そういう状況もありますし、森林の保水力の低下が懸念されます。東京都奥多摩町では、シカが森林の下草を食べ尽くしたため、裸地が広がり、流出土砂で水道水源に深刻な被害をもたらした例があるなど、全国各地で被害が報告されております。昆虫や土壌微生物などの減少、一方でヒルやダニなどの増加拡大と、地域の生物の変化が起こっております。シカがふえている原因の一つが、狩猟者数の変化と言われております。また、狩猟者も次第に高齢化して、狩猟人口も減少していると聞いておりますが、本県の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) 平成18年度末の狩猟免許の保有者につきましては、銃器を用いる免許の保有者数が4,966名、網・わなを用いる免許の保有者数が1,949名、計6,915名となっております。これを5年前の平成13年度と比べますと、約700名減少しておりますが、県としましては、有害鳥獣対策の面からも、狩猟者をふやすことが課題となっておりますので、新規取得者の研修や、試験日を休日にするなど、受験しやすい環境づくりに努めているところであります。   〔「自衛隊を出せ、自衛隊を」と呼ぶ者    あり〕 ◆(黒木正一議員) 全国の狩猟登録者数は53万人がピークで、現在は16万人と言われております。平均年齢も60代というふうに言われておりまして、免許者数もかなりの勢いで減少している状況のようであります。今回、特にシカの食害について質問をしますのは、古い会議録に、シカに関する次のような質問を目にしたからであります。今から36年前の昭和46年の県議会において、椎葉村出身の椎葉保さんが、次のような質問をしています。「シカは、九州ではカモシカとともに非常に珍しい野獣の一つとなってきたのでありまして、いまにして保護をしなければ、かつての祖母山のツキノワグマのように絶滅が心配されるのであります。ただいまアオバト、ヒヨドリなど保護鳥の鳥害が問題になっておりますが、この鳥類よりもむしろシカのほうが非常に珍しい野生の動物となっておりますので、これを保護獣とする考えはないか」。これに対し当時の林務部長は、「シカの保護でございますが、現在、雄のシカは狩猟してもいいということになっておりまして、雌のシカは保護されております。しかし最近狩猟されますシカの数がだんだん減ってきておりまして、生息数もそういうことから推察しますと、減っているのじゃないかというぐあいに考えますが、なおその生息状態などもよく調査いたしまして、積極的に保護を必要とするような状態であれば、またこの保護対策を考えてまいりたいと考えております」と答えております。今から36年前、今は厄介者のシカが絶滅の危機にあったのです。わずか30数年で自然生態環境は大きく変わるのです。当時の宮崎県の狩猟人口は1万2,300人で、年々5ないし10%増加、1シーズン43万羽の鳥と3万3,000頭の獣が殺されている。これは多過ぎる、シカは減少するし、狩猟税を倍にしてでも狩猟人口を減らすべきと、当時主張しています。本県の捕獲頭数は現在どうなっておりますか、お伺いをいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) 平成18年度のシカの捕獲頭数につきましては、狩猟によるものが8,043頭、有害鳥獣捕獲によるものが1,261頭、合計で9,304頭となっておりまして、5年前の平成13年度と比較しますと、約2,800頭の増となっております。 ◆(黒木正一議員) シカの捕獲数も相当数ふえているようでありますし、また、シカのネットを張っているところにも、山奥を歩きますと、そこにひっかかって死んでおるというシカも見受けられますので、まだ相当多いのではないかというふうに思います。鳥獣害被害が特に深刻なのは山間地であります。あの手この手の対策が講じられていますが、被害は拡大する一方。営農意欲や植林意欲をそぐ原因や、人口流出の遠因ともなっております。シカの被害を防ぐために、侵入防止のさくやネットの設置など多額の費用を使ってその対策をするものの、被害は広がる一方と思われます。シカ害を防ぐにはオオカミを放つしかないと真剣に主張している人もおります。また、狩猟で捕獲したシカを特産食材として生かすために、食肉処理販売に関するマニュアルをつくって、捨てられることも多かったシカ肉を食材として売り出そうと、長野県では取り組んでおります。被害の深刻さから、先ほどもだれか言っておりましたけれども、自衛隊を出動させろという、ある政党もあるようでありますが、国会においても、対策を強化するために、生産現場に近い市町村が主体的に対策に取り組めるようにする、鳥獣害対策特別措置法の制定に向けた動きもあると聞いております。県は被害防止対策にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) シカによる農林作物への被害額は、平成18年度には1億円を超えるなど、深刻な状況となっております。このため県では、これまで、被害を防止するため、防護ネットの設置や有害鳥獣捕獲活動に対しまして助成を行ってきたところであり、今年度から、雌ジカの狩猟区域を県下全域にするとともに、シカの狩猟期間を1カ月延長する区域を拡大し、シカの捕獲促進に取り組んでいるところであります。また、昨年度からは、南九州3県合同で、県境付近におけるシカの一斉捕獲を実施しているところであります。今後とも、市町村等関係機関と一体となって、より実効性のある被害防止対策に努めてまいりたいと考えております。 なお、先ほどございましたが、今国会に鳥獣被害防止特措法案というのが提案されております。この辺の経緯等も十分踏まえながら対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆(黒木正一議員) 私は、鳥獣害の被害の話を聞いたり現場を見ておりますと、鳥獣害の問題は、現在の山村、林業の問題点がそのまま反映されていると思わざるを得ません。30数年前、保護しなければシカは絶滅すると言われましたが、今の山村は人間が絶滅の危機にあります。一定の人が定住し、豊かな山をつくることなしに、鳥獣害の根本的な解決はないし、国土を守ることもできないと考え、林業対策についてお伺いをいたします。 現在の林家の置かれている状況について、農林水産省の2005年の調査によりますと、山間地域の販売農家1戸当たり総所得437万円、このうち、農業の所得が79万円、林業所得はわずか8万円であります。主として年金や農林業外からの収入に頼っているという状況であります。所得金額は別といたしましても、林業による収入は極めて少ない、なきに等しいのであります。現在の林業の状況がよくあらわれていると思います。木材価格が安いので、皆伐したとしても再造林の費用が出ない。主伐の手控え化、皆伐放置・未済地化。国内の人工林資源が成熟し、輸入材との価格が逆転、いよいよ国産材の時代が到来したのに、長年の山元価格を圧縮する形で進んだ価格低下で、人も流出し、手入れの行き届かない森林が増加、山の境界さえわからなくなりつつあります。このままでは、多くの努力を払って植林し、年月をかけて育ててきた森林が、一度も富をもたらさないまま、一度も日の目を見ないままに、災害に遭うことになるかもしれない。この最悪の状況、それを避けるためには、生産・加工・流通の新しい効率的な流れをつくって、林家の所得を上げる対策をとらなければならないと思います。そしてそれは、林齢や植生の多様化を図るチャンスでもあります。林家の所得確保につながる森林整備対策にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) 今お話がありましたように、林家の所得を確保し、植栽や保育など適切な森林整備を進めるためには、林業の採算性の向上を図ることが極めて重要であるというふうに考えております。このため県では、国の補助事業等を積極的に活用いたしまして、施業の集約化や路網の整備、あるいは高性能林業機械の導入などによる生産性の向上や、経営コストの縮減などに取り組んでいるところであります。また、戦後一斉に植林をされました本県の人工林は、利用可能な資源として充実しつつあることから、今後は、伐採時期を迎えた高齢級の森林を対象に、重点的に間伐を実施し、長伐期施業への誘導を図るなど、森林所有者などの安定的な所得の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆(黒木正一議員) 続きまして、林業担い手の確保について質問をいたします。日本の持っている循環可能な資源は、唯一、森林資源と言われておりますが、森林の循環活用になる林業を営んでも適正所得を稼げない状況の中で、林業就業者数は、平成12年は7万人で、10年前の6割の水準となっています。また、高齢化も進行し、平成12年には65歳以上が4分の1を占める状況となっており、林業の担い手づくりが課題となっております。現在、緑の雇用担い手対策事業等の効果もあって、新規就業者の数は増加傾向で推移しておりますが、今後、人工林が成熟し、長伐期施業への移行も考えると、より専門的な技術者が必要になると思われますが、林業の担い手確保についてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) 今お話がありましたように、本県の森林資源が充実する中で、素材生産等を担う林業就業者の確保というのは、大変重要な課題であります。このため、「宮崎県担い手対策基金」を活用いたしまして、林業への就業を目指す高校生への育英資金の貸与、あるいは林業技術者の養成などの人づくり、また、高性能林業機械の活用促進などの基盤づくり、そして3つ目に、事業主の負担する社会保険への助成などの就労環境づくり、こういった3つを柱に今取り組んでいるところであります。さらに、林業後継者を育成するために、林業研究グループの学習活動などにも支援をいたしているところであります。また、お話にありましたように、林業就業者が減少・高齢化する中で、平成15年度からは「緑の雇用担い手対策事業」に取り組み、これまで4カ年で364人が新たに雇用されたところであります。今後とも、これらの施策を通じまして、若者にも魅力ある職場づくりを促進し、林業担い手の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆(黒木正一議員) 次に、シイタケの振興についてお尋ねをいたします。林業は長い時間を要することから、山村地域にとって短期換金作物であるシイタケは、重要な特用林産物として、本県においては過去に生産日本一を目指して取り組んできております。しかし、中国からの輸入増加によって次第に国産シェアが低下、価格も低迷し、生産量、生産者も年々減少しております。生産農家も高齢化が進み、原木であるクヌギ伐採跡地に針葉樹を植えかえるという傾向が見られます。このことは、健全で多様な森づくりに逆行することにもなります。シイタケ栽培が発展することは、広葉樹を植林することにつながり、災害に強い森林をつくることでもあります。これまで県は、生産体制の整備や消費拡大など、その振興のために取り組んでおられます。中国産が残留農薬等の問題で敬遠されている中、価格も上昇し、生産農家も少しは元気を取り戻しております。国内消費を国産で賄い、再び輸出作物の地位を築くまで振興していくべきだと思いますが、お考えをお伺いいたします。 ◎環境森林部長(高柳憲一君) 乾シイタケは山村地域の貴重な収入源でありますが、価格の低迷、あるいは生産者の減少・高齢化などによりまして、生産量が減少傾向にあります。このため、労力の軽減を図るための人工ほだ場の設置や管理道の開設など、効率的な生産体制の強化に努めているところであります。また、消費者ニーズが「食の安全・安心」へと急速に高まる中で、乾シイタケにつきましても、国産品を求める動きが高まっておりますことから、産地偽装を防止するため、科学的な判別調査やトレーサビリティシステムをスタートさせたところであります。さらに、みやざきブランドの認証取得を目指した取り組みも行っているところであります。今後とも、これらの取り組みを強化し、安全で安心な乾シイタケの生産振興に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆(黒木正一議員) 次に、情報格差についてお尋ねをいたします。携帯電話のサービスエリアは、関係の方々の努力により広がっていることに、感謝をするものであります。世帯数はかなりカバーしておりますが、面積でいくと、山間部はまだまだサービスの届かないところが広いのが現状であります。救急や台風災害時における重要な通信手段でもあり、これからのエリア拡大を願うものであります。 さて、国において、平成23年に地上アナログ放送から地上デジタル放送へ全面移行することになっておりますが、県としての対策はどのように考えておられますか、地域生活部長にお伺いいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 地上デジタル放送への移行につきましては、国策として推進されているもので、国及び放送事業者において、円滑な移行のための措置がなされることが必要不可欠であると考えております。県といたしましても、山間部において新たな難視聴世帯が発生することのないよう、デジタル化を円滑に進めることが大変重要であると認識をいたしております。このため県では、国等に対し、地上デジタル放送への移行に必要な支援措置の創設等を重点的に要望してまいりました。その結果、地上デジタル化に対する国の交付金制度が本年度創設されたところであります。しかしながら、この制度におきましては、助成対象者が市町村に限られていることや、対象事業が共同受信施設の改修のみであることなどから、さらなる支援策の拡充が図られますよう、全国34の道府県で構成いたします地上デジタル放送普及対策検討会におきまして、国に強く要望をしているところであります。以上です。 ◆(黒木正一議員) 知事にお尋ねしますが、知事はきょう何時に新聞を読まれましたか。 ◎知事(東国原英夫君) 朝8時半ぐらいだと思います。 ◆(黒木正一議員) 私もきょうは県議会議員寮に泊まっておりましたから、朝、新聞を読んでここに参りました。私の家は諸塚村ですけれども、新聞は郵便で配達されています。ですから、大体昼に届きます。郵便による配達が、山間の僻地においてはかなりの数に上っております。新聞の購読料とは別に配達料も支払わなければなりませんし、所によりましては日曜の新聞が月曜に届く、そういうところも実際あるわけです。ただ、不便なところに住んでいる人はある程度の不便さは覚悟しなければいけませんし、そのこと自体については、テレビがありますから、テレビでニュースを見ますから、別に私としてはそんなに不都合は感じていないんですけれども、平成23年7月24日、山村におる老人がテレビを見ていたら、突然テレビが消えたということになったら、これは許されないのではないかと思うのです。国の試算では、山間地域において難視聴地域が拡大するなど、全面移行の期日以降、テレビが受信できない世帯が生まれるおそれがあるとされています。地上アナログ放送でカバーしていた地域に、100%デジタル放送を受信できる環境を整備する必要があると思いますが、地域生活部長に、100%受信できるかどうかお尋ねをいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 今、100%というお話がございましたけれども、なかなか今のところはめどが立たない状況であると認識しております。県内の状況を申し上げますと、昨年12月に、鰐塚山の中継局の開局によりまして、宮崎県における地上デジタル放送が開始され、現在、県内の約87%の地帯で地上デジタル放送の視聴が可能となっている状況にございます。今後、平成22年までに順次中継局を設置することによりまして、県内ほぼ全域でデジタル放送が開始される予定となっているところであります。ことしの9月に総務省が発表いたしました「市町村別ロードマップ」によりますと、電波の直進性が強いこと等のデジタル放送の特性から、現在のアナログ放送と同様には見ることのできない新たな難視聴世帯が、県内において、山間部などを中心に約4,000世帯と想定されているところであります。これらの世帯につきましては、より高性能なアンテナへの交換や共同受信施設の新設・移設などにより、受信が可能になると伺っているところであります。今、23年という話がございましたけれども、それに向けて、円滑な移行のために、国のほうでも、特に総務省あたりで、一生懸命、難視聴世帯の解消対策にいろんな手を尽くして今考えておられるところでありますので、それらの国等の動向を見ながら、県としての対策も今後検討してまいりたいと考えております。以上です。 ◆(黒木正一議員) これは国策としてデジタル放送に移行するわけでありますから、新たな情報格差とならないように、その対策を国に対し強く要望していただきたいと思います。 次に、地域医療の問題についてお尋ねいたします。医師不足については、昨日も質問がありましたが、全国的に医師不足・偏在が深刻になっており、本県も同様の状況にあります。過去にも、昭和40年代の初めには、4つの県立病院においても、医師定員が85名のところ、74名しか確保できない、そういう状況があったようでありまして、特に山間僻地にあっては深刻であったようであります。例えば、これは一番最初に紹介いたしました諸塚村出身の古本議員の質問をまた引用させていただきますが、昭和45年3月議会で、次のように述べております。「医師を雇うにしましても、僻地には容易に来てくれません。雇い入れるまでには何回も村長や村会議員が交渉に行き、多額の旅費を使いまして幸いに話をつけて雇い入れても6カ月か1年しますと、もうおりたくなくなって出ていくのであります。こういうことで特別の住宅まで提供しなければならないのであります。入郷地区の医師の俸給はおそらく宮崎県一の俸給とりではないかと思っております。諸塚村では欠員となり、なかなか見つからない。やむを得ず厚生省にお願いいたしまして、赤江診療所から医師が1週間交代でしばらく診療してもらうことになっております」。当時の医師の俸給、給料でありますが、これは37年前ですが、椎葉村の院長38万円、税金は村で負担していたということですが、西郷村が35万円、南郷村が26万円、諸塚村が25万円、村によってかなり差があります。諸塚村が一番財政状況が悪かったのでしょうか、一番給料が安かった。そのためかどうかはわかりませんが、当時、医師を見つけておりません。過去に大変苦労して医師を確保していた状況がわかります。宮崎県にも医科大学をつくって何とかこの状態を緩和してほしいと、当時訴えていたのであります。昭和40年代の後半に無医大県解消構想なるものが策定され、宮崎県にも医科大学が昭和49年に開学しております。開学して33年がたち、さまざまな医療を取り巻く状況は変わったにせよ、もう少しはよくなるはずが、医師不足。この原因についてどのように考えておられますか。また、県も各種の医師確保対策に取り組んでおられますが、県の対策だけで医師不足が解消されるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(宮本尊君) 現在の全国的な医師不足の原因は、これまでの大学医学部の定員削減や、特に平成16年4月からの新しい臨床研修制度の導入など、さまざまな要因があると考えております。その結果、医師の都市部への偏在や小児科等の医師の不足など、地域医療に大きな影響を及ぼしております。このため県では、医師修学資金貸与制度や医師派遣システムなどによりまして医師の養成確保を図っているほか、今年度は、県と関係市町村で構成する「医師確保対策推進協議会」を設立し、求人情報の全国への発信等、一体となって医師確保対策に取り組んでおります。また、医師不足は全国的な問題であり、県レベルでの対応には限界がありますので、臨床研修制度の改善や医師の僻地勤務の義務化など、抜本的な対策を国に対して強く要望しているところであります。今後とも、市町村や県医師会、宮崎大学等の関係機関と連携し、地域医療の現場を担う医師の安定的な育成確保に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(黒木正一議員) 来年度予算編成の重点施策の中に建設産業対策があります。建設業を取り巻く状況は、もう御承知のとおりでありますが、中山間地域にとりまして、農業、林業が不振の中で、建設業は雇用力のある重要な地場産業であります。ほかに大きな雇用の場がないため、大きく依存してきました。建設業に従事し現金収入を得ることで、山も辛うじて守ってきたのが現実であります。建設業従事者が失業し、地域を離れるようなことがあるとすれば、人口はますます減少しますし、ただでさえ少なくなっている消防団など、防災組織も弱体化するのは間違いありません。急速な改革は過疎に拍車をかけることにもなります。正月を不安な気持ちで迎える若い人たちのことが心配です。どうか優秀な建設業の育成と総合的な雇用対策に強く取り組んでいただくように要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(中村幸一) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時42分休憩          ────────────────────    午後1時0分開議 ○議長(坂口博美) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、18番松田勝則議員。 ◆(松田勝則議員) 〔登壇〕(拍手) いつもお世話になりまして、ありがとうございます。延岡市選出、愛みやざきの松田勝則でございます。大変緊張しております。 今、全国でまちおこし、村おこしが大変盛んです。そのきっかけになったのは、大分県の平松知事が提唱された一村一品運動、あれが大きくこの輪を広げてくれたと思います。私も去年の9月まで東京でサラリーマンをしておりました。その中で、こういった村おこしというようなことをやってきたんですけれども、成功した例、幾つかのパターンがありました。成功法則というのがあったような気がいたします。村おこし、まちおこしが成功した例、1つ、地元で生まれ育った人が一回都会に出て、戻ってきてから何かを始めた、2つ目、都会に住んでいた人が仕事をやめて地元宮崎に移り住んで何かを始めた、3つ目、地元以外の土地に多くの友人とか知り合いを持っている人が宮崎に帰ってきて何かを始めた、この3つのうちのどれかに当たるそうです。外の世界と交流を持ち、外の世界を知っている人が、新しいそして楽しいアイデアを持ち込み、活性化のきっかけをつくっているようです。その試み、アイデアが受け入れられるかどうかというのはわかりません。しかし、ああだこうだと論議するよりも、まず何かを起こす、そういった変わった人、いわばドン・キホーテ―特定の企業の名前ではありません―的な人の出現によって、まちおこし、村おこしはまず第一歩を起こすというデータがあります。まさに、今、宮崎県がそのいい例であろうかと思います。我が愛するふるさと宮崎をこんなに活気づけてくれました知事、それから、それを支えられた県の職員の方々に感謝と敬意を払いつつ、質問に移ります。 最初に、不適正な事務処理問題に関しまして、再発防止という観点から質問させていただきたいと思います。 去る12月6日、県議会普通会計決算特別委員会は、平成18年度の一般会計と特別会計決算を不認定といたしました。理由は言うまでもありません。3億円を超える預けなど不適正な事務処理が含まれており、信頼できないという判断だったからです。決算不認定の採決を下したのは、2005年度の官製談合事件の決算に引き続き2年連続で、全国的にも、そしてこの宮崎県政史上でも異例のことで、私たち議員としても恥ずかしい思いをいたしております。私の所属する環境農林水産分科会でも現地調査を行いました。行ったところ、さまざまな疑問点が見出されました。その中でも大きな疑問点は、裏金の存在や預けなどの不正行為に加担した特定業者の存在でした。外部調査委員会の報告でも、不自然な取引を指摘しています。しかし、それ以上は追及せず、業者への事情聴取などが行われない事実に、真相解明の意欲のなさとか早目の幕引きを意図しているんじゃなかろうかということを感じずにはおられません。数々の不備が指摘された内外の調査結果に対して、知事は「精いっぱいのことはやった」という答弁をされましたが、県民といたしましては、まだまだ釈然としない気持ちが残っております。副知事に、調査委員会の責任者として見解をお聞かせいただきたいと思います。 後は自席にて質問させていただきます。(拍手)〔降壇〕 ◎副知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えいたします。 不適正な事務処理に係る調査についてであります。このたびの全庁調査は、今回の問題に対する深い反省に立ち、組織を挙げて徹底的に事態を究明するという観点から、庁内調査委員会が実施主体となって行うとともに、この調査の客観性、公正性を確保するために、調査の準備段階から、弁護士、公認会計士から成る外部調査委員会の厳格な指導助言・検証を受けながら実施したものであります。取引事業者に対する調査につきましては、関係する所属のみならず、各部の連絡調整課や庁内調査委員会の作業チームが出向いて、徹底した調査や事情聴取を行い、二重三重のチェックを経た上で、その内容を外部調査委員に詳細に報告し、専門的かつ公正公平な第三者の立場からの指導・検証を受けております。さらに、預け等の金額の大きな所属や著しく不適切な使途のあった所属に対しましては、外部調査委員みずから現地調査やヒアリングも実施して、報告内容のチェックや原因の分析を行うなど、徹底した検証をしていただいたところであります。このように、庁内調査委員会の徹底した調査と外部調査委員会の厳正な検証を経た上で、私的流用については確認されなかったと判断したものでありまして、私どもとしては、できる限りの調査を行ったものと考えております。なお、外部調査委員会には、このほか再発防止策や職員等の責任に至るまで具体的な提言をいただくなど、大きな役割を果たしていただいたと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(松田勝則議員) 私的流用がなかった、この言葉に大変私たちも安心を覚えてはおるんですけれども、今回私たちが現地調査を行いました、その中で、「疑惑の総合商社」という言葉を使ったら不適切かもしれませんけれども、そういった業者の存在が見えてまいりました。普通に見てそういった業者があった場合に、いろいろな取引があったんじゃなかろうか、接待があったんじゃなかろうかということを、みんなひとしく思いました。この件に関して、副知事、いかがでしょうか。 ◎副知事(河野俊嗣君) 特定の事業者に取引が集中していたという御指摘であります。まず、認識といたしまして、このような取引につきましては、公正性、公平性のみならず、競争性にも問題があるものであり、大変適切さを欠いて遺憾であると考えております。その上で、今回のこういった特定の取引業者との取引が行われた理由について分析をいたしますと、預けの残額がある限り、その事業者との取引は継続されやすいということですとか、簡便な物品購入の手法に迅速に対応できる事業者であるといったようなことから、このような状況が安易に生まれやすいと考えております。調査の過程におきましては、このような所属及び取引事業者につきましても、また、それ以外の全体の事業者についても、ただいま御指摘がありました、私的流用がないかという視点を厳しく持ちながら、入念に使途のチェックを行いましたが、購入した品目や発注金額などにつきまして、私的流用が疑われるような不自然なものは確認されなかったところでございます。 ◆(松田勝則議員) 今回は、どうやったらこれを再発防止できるかというところで議論を進めたいと思いますので、次に移ります。 今回の事件、さまざまな意見をちょうだいしております。その中で、どうしてこんなことが起こったんだろうか。一つは、国庫補助金に付随する事務費というのがあったんではなかろうかと私は感じました。補助公共事業の予算には、国庫補助金が大きなウエートを占めております。その国からの補助金には、一定額の事業費が付随してきますが、それが余ったとしても返すしかないから使い切った形をとる。これが裏金を生み出した一つの原因ではないかという見方をする人もあります。現状なりお考えなりを知事、お聞かせください。 ◎知事(東国原英夫君) 使い切りの慣例があった、慣習があったというのが、今回の不適正な事務処理の要因になったことは否めないと感じております。 ◆(松田勝則議員) そうなんですが、そういった余った事務費等と、地方自治体の努力や創意工夫によって削減できた事業費の何割かを、この地方に、宮崎県に与える制度があれば、地方は、この宮崎県は、新たな意欲で事業費節約に取り組むんじゃなかろうかなと思っております。ぜひ全国知事会などでのそういった議論を知事にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) 議員の御指摘というのは、メリット制とかプール制のことをイメージされているんでしょうか。そうでなければ、国庫補助金というのは本県にとって重要な財源でございます。適正な使途の範囲内で最大限活用していきたいと考えております。 ◆(松田勝則議員) 活用のほうは当然だと思っております。ただ、仮にそれが残った場合とか、そういった工夫によって残した場合どうするのかということをちょっとお尋ねしました。 もう一つ、これは提案という形になるんですが、こちらのほうはちょっと割愛しておきます。ありがとうございます。 もう一つ挙げさせてもらいますと、備品購入費というものを、今回の再発防止策の中に入れていらっしゃるかと思います。当初予算の中で、予備費としてプールしたものの中から緊急性のあるものの支出を考えたいというようなことがあったと思います。その予備費というのは、こういう考え方があるんじゃないかと思います。事業費の残ったものをプールしておくという考え方、事業の節約分をプールしていくという考え方、そして、今回お示しいただいたような当初予算から予備費的にプールするのに使うという考え方、この3つは大いに違うんじゃなかろうかと思います。それは、県単事業というのが、ピーク時に比べますと今、半減しております。一番小回りのきく県単事業が減る中で、行政が、仕事がやりやすい、スピードアップを図るための、自分たちが使う事業費を優先して、つかみ取りと言っていいんでしょうか、そういった形で確保する、そのやり方はどうだろうかと。というのは、一番県民サービスに対して小回りのきく県単事業、これを支出目的が定まっていない備品購入費というような形でプールするのはいかがなものかなと思っております。考え方としては大変よく理解できるんですが、予算のあるべき編成の仕方であるのかなと、私は個人的に思いました。住民の納得のいく形で、こういった予算編成の手法を確立するべきではなかろうかと思っております。これは要望として申し上げておきます。 次に、高千穂線についてお伺いいたします。 高千穂線、ちょうどきのうの今の時間に、高千穂町におきまして、神話高千穂トロッコ鉄道が臨時株主総会を開きました。そこで、神話高千穂トロッコ鉄道の存続をどうするかということで、大方の見方が、もう清算に入るだろうと思われていた中で、残った個人株主たちが頑張りまして、神話高千穂トロッコ鉄道を存続するということになりました。さきに、大株主でありますところの高千穂町観光協会が、臨時株主総会で同社から資本の引き揚げを決定いたしました。これで、トロッコ社は命運を絶たれたという見方が広がりましたが、高千穂線の存続を訴える地元住民の活動はとどまりません。去る11月20日、上京いたしました。国交省に対し、高千穂線早期復旧に関する嘆願書を提出いたしました。そのとき、こんなコメントをもらって帰ってきております。「国が動くには県や沿線自治体の協力が不可欠です」というコメントでした。また、地元での支援イベントも大変盛んです。先週、今週と日曜日には、「よみがえれ高千穂線!」と銘打ったコンサートが川水流、日之影温泉の駅舎で開かれました。そして、ここ宮崎市内の喫茶店でも開かれております。このコンサート活動は、地元のバンドが今後3年間をかけて、すべての高千穂線の駅で開催する意気込みです。 さて、休止期限の12月26日以降、高千穂線はどんげなっとかという気持ちが、地元であふれております。既に、線路の中には、危険性を指摘されて踏切の撤去に至った延岡市三軒家の例、それから、この夏の台風で鉄砲水を引き起こす元凶となりました曽木橋の例、この撤去が予定されております。西臼杵では、12月26日以降、一挙に線路をはぐんじゃなかろうか、線路の撤去が始まるんじゃなかろうかという不安を呼んでおります。今後の高千穂線はどう会社清算を進めることになるのでしょうか、地域生活部長にお伺いいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 高千穂線でありますけれども、高千穂鉄道株式会社は、運営資金がなくなります平成21年3月までに会社を清算する必要がございます。このため、高千穂鉄道では、鉄道事業の廃止が確定した後、清算までの間に、安全上支障のある踏切施設の撤去等を行いまして、その他の資産は、本年2月に高千穂鉄道、県、それから沿線市町で合意しました内容に基づきまして、基本的には沿線市町に寄附するということになります。今、休止中でありますので、廃止が確定するのは、通常で言いますと、廃止の届け出から1年ということになっております。以上です。 ◆(松田勝則議員) そうしますと、地元が今一番話題にしております、26日が来たら県が率先してレールをはぐんだそうな、そのレールはどこどこの駅に集積するんだそうなという、これはデマと考えてよろしゅうございましょうか。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 今申し上げましたとおり、廃止が確定しないと撤去等はできないということになっております。以上です。 ◆(松田勝則議員) さて、きのうトロッコ鉄道株式会社の存続が決まったわけでありますけれども、全国から寄せられました支援金、約半年で3,800万円が寄せられました。目標額にはほど遠いものの、全国から寄せられた浄財に熱い期待を感じております。そのトロッコ社ですが、きのう、大株主の高千穂観光協会の撤退に対しまして、株主たちが毅然とした態度をとりました。高千穂線の全線復活に向けて活動を続けると、新たにかたい意志を示したわけです。そうはいいましても、県や市や町の財政を当てにはできず、寄附金も不足しております。知恵には限りがあり、孤立無援の中での再々スタートを切ったわけです。このような中、特定目的鉄道、いわゆる観光鉄道など考えられる方策を、前回の質問でもさせていただきました。その中で、国が廃止の相次ぐ地方路線を支援するため鉄道事業法改正を検討しているというニュースが入ってきました。まだ検討段階ですが、鉄道資産は地元公共団体が持ち、その上の運営については民間がやるといった上下分離方式と名前がつけられております。こういったまだ検討中の案ではございますけれども、どのように県はとらえられているのか、再び地域生活部長にお伺いいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 御質問にありましたように、国では、経営の厳しい鉄道路線に対しまして、地方公共団体が施設を保有し、その整備等に要する費用を負担するという内容の鉄道事業法の改正を検討されているようでありますけれども、詳細については、まだ具体的に把握いたしておりません。示されていないところであります。一方、高千穂線は、第三セクターの鉄道として、施設の整備から運営まで、行政からの多額の財政負担によって経営してまいりましたけれども、将来にわたり経営の見通しが成り立たないとの判断から経営を断念した路線であります。このような経緯から、鉄道事業法の改正による制度が地方公共団体の財政負担を前提とするものであれば、当該制度により高千穂線を存続することは困難であると考えております。以上です。 ◆(松田勝則議員) まだ確定していない制度でありますから、これが適用できるかどうかわからないという答弁は当然かと思いますが、例えばこんな例があります。「青い森鉄道」というのが青森県にございます。これは、もともとJRの東北本線だったんですが、新幹線の新設に伴い、だんだん乗降客数が減りまして、今申し上げました実質的な上下分離といった形で運営しているところなんですけれども、県が地元に無償譲渡をされて、その上物あるいは列車等々を地元の民間業者が走らせているといった知恵を集積して運営している会社になります。今、高千穂沿線の住民の会、支援する方々の中で、県や国から補助金をとか、そういった思いは持っておりません。もともとが神話高千穂トロッコ鉄道は民間会社でございますので、そういったすがるという考えはないんですが、地域住民が必要としているという声が残っている鉄道に対しまして、県が何かできないか、もっと知恵と工夫を凝らしていただけたらというふうに思っております。 たまたまこういったことを発見いたしました。先日お亡くなりになりました江藤隆美代議士が、国鉄高千穂線が廃止の憂き目に遭ったときに県庁に乗り込んでこられて、「地元のもんが残せと言うちょっとやから県は残さんか」と一喝されたということも聞いております。今、地元では、まだまだ高千穂線を残してほしいという声が多うございます。決して県にすがろうという考えではありませんが、そういった、前向きに地域振興のためにさまざまな分野で高千穂線を残してほしいという声があることをお考えいただきたい、このように思っております。 続きまして、西臼杵の観光振興について、高千穂線を絡めまして知事にお伺いいたします。内閣府は11月27日、地域経済の活性化策を支援する平成19年度地方再生モデルプロジェクトに、西臼杵3町の西臼杵観光振興プロジェクトなど県内2事業を含む8道県17事業を採択しました。このプロジェクトは、熊本県阿蘇地方との連帯強化による広域的な観光振興を図り、観光客増加と雇用の創出を目指すとなっています。この中でも大きなポイントになるのが交通です。交通の確保は不可欠です。熊本空港との連携、西臼杵エリア内での移動についても、地元住民の利用も考えた対応策が求められております。高千穂線の存続により、同地域の振興にさらなる効果が期待できると考えられます。どうお考えでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) 西臼杵3町では、先般、御案内のとおり、国の地方再生モデルプロジェクトの採択を受けまして、熊本空港や阿蘇方面からの路線バス、地域内の観光地を結ぶデマンド型乗り合いタクシーの導入に向けた実証運行など、新たな交通手段の確保によって、地域の活性化に取り組むこととしております。今後とも、県といたしましても、こうした地域の新たな取り組みも踏まえながら、関係自治体と十分連携し、高千穂沿線を含めた地域の振興に努めてまいりたいと考えております。 ◆(松田勝則議員) ぜひお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。宮崎の女性の健康について考えるということで質問させていただきます。 本県、宮崎の女性たちは、日々の暮らしの中でさまざまな問題を抱えています。例えば、結婚、出産などで退職した後の再就職の困難さ、パート労働の賃金の安さ、子育てや介護などがずっしりと肩にかかってきています。また、同僚の西村議員がさきの9月議会で質問いたしましたが、DV問題、これは県警や関係機関への相談件数は倍増しておりまして、昨年、過去最多の214件に上ったということでございました。これらは個人的な問題のように見えて、実際のところ、個人では解決の困難な社会的課題だと認識すべきです。 さて、それらの諸問題の中で、再三この県議会で議論されてきた項目がございます。妊娠中絶に関することです。平成17年度の「母体保護統計報告」によりますと、宮崎県の人工妊娠中絶率は、全国で悪いほうから12位、しかも順位は年々上昇傾向にあります。そして、注目すべきは人工死産率、人工死産率とは同じ人工妊娠中絶のことなんですけれども、12週以降のものをこう区別しているようです。この順位は47都道府県中ワースト1位です。それも断トツで1位です。昭和63年からずっとワースト1位を続けております。20年間、自慢のできない実績でございます。ちなみに2位以下を見てみました。平成16年の「母子保健の主なる統計」によりますと、高知、熊本、長崎、福岡、鹿児島、そして北海道と続いております。この10年間の結果で言えば、おおむね九州各県が上位を占めていますが、それでも2位以下のランキングは変動しているんです。その中にあって、本県だけが不動の地位にあります。しかも、2位の県に比べ、毎年2から3ポイント大きく突出しております。これはどうしてでしょう。県はこのような厳しい実態が長く続いていることをどう認識し、どんな対策を講じてこられたでしょうか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(宮本尊君) 人工死産は母体への負担が大きく、女性の健康を阻害するものでありまして、本県の大きな課題であると認識しております。このような中、県では平成17年度から18年度にかけて、健やか妊娠推進事業において、人工死産に至った方々への調査を行ったところであります。この調査によりますと、人工死産をされた方の半数は、過去に妊娠あるいは出産の経験者であったことから、宮崎県医師会と協力して、産後や人工妊娠中絶の際に、家族計画や避妊指導の充実を図ったところであります。また、教育委員会や大学と連携をとり、望まない妊娠を防ぐために、健康教育やそのパンフレット等の提供や関係者への研修を行うとともに、望まない妊娠に至った方への相談窓口を設置しております。人工死産の総数あるいは人工死産率は確かにワースト1でありますが、それ自体は近年だんだん減少してきております。今後とも、人工死産の低減に向けて、施策の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆(松田勝則議員) 施策の充実ということで大変期待するところですが、「赤ちゃんポストをつくっては」みたいな声も後ろから聞こえてきたんですが……。人工死産率、つまり12週以降の人工中絶率が高いだけじゃないんです。この問題を出した理由といいますのは、この件、人工死産率の高さには問題が2つございます。先ほど部長がおっしゃいました、高齢の方が多い。宮崎県、30代の割合が全国より高いんですね。それから、もう一つ、2つ目です。妊娠、出産経験者が半数以上であるということです。母体への影響がより高い年代が多いということ、妊娠、出産の知識がある層が多いということが本県の一つのポイントであると思われます。 なぜか、理由を見てみました。人工死産に至った理由です。平成17年~18年度の宮崎県の調査によりますと、第1位、それは望まない妊娠だった。先ほどの部長のお言葉の中にもありました。では、どうしてこんな結果になったのか。1つ、正確な避妊の知識がなかった。2つ目、女性が避妊の意思を明確にできなかった。3つ目、パートナーの協力がない。この結果から何が見えるでしょうか。いろんな要素が考えられると思うんですが、一つには、本県では避妊に関する正しい知識がまだまだ普及していないのではなかろうかと考えられます。また、付随しまして、性病についても意識が希薄だという声を聞きます。罹患率が高いなどという話も聞いたりいたします。性感染症の実態についての把握はどうか、続けてお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(宮本尊君) 性感染症については、感染症発生動向調査事業の中で、発生状況や流行状況の把握を行っております。まず、HIV感染症と梅毒については、患者の発生が確認された場合には、すべて医師から保健所へ患者発生の届け出がなされる仕組みになっておりまして、平成18年には、HIV感染者及び患者の届け出が3件、梅毒の届け出が8件ございました。また、クラミジアや淋菌等の性感染症につきましては、県内13の指定医療機関から毎月患者数の報告を受けて、流行状況の把握を行っているところであり、平成18年には、クラミジア感染症の1指定医療機関当たりの報告数は年間38.1件、淋菌感染症の報告数は年間20.8件でありました。クラミジア感染症、淋菌感染症、いずれも報告数は減少傾向にありますが、本県の1指定医療機関当たりの報告数は、依然として全国より高い状況にございます。 ◆(松田勝則議員) やはり全国より高いというデータが出たわけでありますけれども、では、その対策はどうなっておりますでしょうか、続けてお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(宮本尊君) 本県では従来から、エイズの検査・相談窓口を設置しておりますが、新たに本年6月から、その他の性感染症についても、無料、匿名で受けられる検査・相談窓口を全保健所に開設したところであります。相談者に対しては、適切な指導を実施するとともに、感染がわかった人には医療機関での治療を勧め、性感染症の発生予防及び蔓延防止に取り組んでいるところであります。また、高校生等を対象とした性感染症の感染予防のための講演会を開催するとともに、エイズブロック作戦として、12月1日の世界エイズデーを中心に、若者に人気のあるラジオ番組やライブコンサートとタイアップしたキャンペーンを実施しております。今後とも、性感染症に関する知識の普及啓発に努めるとともに、検査・相談窓口の一層の周知を図るなど、性感染症の減少に向けた対策を推進してまいりたいと考えております。 ◆(松田勝則議員) こういった問題を取り上げた背景には、命のとうとさということが、まず根底に流れているかと思います。きのう米良議員も再三訴えておられましたが、こういった性教育あるいは性感染症等々の問題対策の根底には、命というものを大きく打ち出す必要があるかと思っております。そして、妊娠や中絶にいたしましても、特に教育現場での性教育のあり方が重要との見方もあると聞いております。本県でのそういった学校教育現場での取り組みはいかがか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(高山耕吉君) 学校における性教育は、単に知識だけを教えるのではなくて、子供たちが、命を尊重する態度や男女平等の精神に基づく正しい異性観などを身につけることを目的といたしております。学校におきましては、学校保健委員会や家庭教育学級等で、子供の性に関する対応につきまして、保護者、教職員の共通理解を深めますとともに、学校を挙げて発達段階に応じた性教育に取り組んでいるところでございます。また、県教育委員会といたしましては、産婦人科医などを学校に派遣いたしまして、専門的な立場から子供たちに命の大切さを伝えるとともに、管理職等を対象としました研修会などを実施いたしまして、指導力向上を図っているところでございます。今後とも、家庭、地域及び関係部局と十分な連携を図りながら、学校における性教育の一層の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆(松田勝則議員) 性教育のあり方については、以前から熱心に取り組んでいらっしゃるということは聞いております。ただ、その中で、こういったお話も伺いました。ある国会議員の方から伺ったんですが、宮崎市の小学生が性教育の授業を受けて帰ってきた。そうしましたら、早速、男の子と女の子が実習、復習していた、そういったところを見て親が大変に驚いた。そこで何が言えるかというと、性教育は大変デリケートな問題でございます。それは教え手側、伝え手側によっては過剰なこともあるかもしれないし、また、受けとめ方によっては、そういった親がびっくりするような結果をもたらすこともあるかもしれないということで、あり方はどうなんだということも聞いておりました。 また、性教育に関しましても、命というものが一番大事になってくるかと思いますが、このような例がございます。延岡市の離島、島浦島という島がございます。人口1,200人の小さな島でございますけれども、そこに94歳の井戸口スミ子というおばあさんがいらっしゃいます。10年前まで現役のお産婆さん、助産師でございました。昭和12年から10年前までずっと産婆という仕事をしてこられて、島浦の住民はほとんどその井戸口先生の手によって取り上げられたということになっておりますが、この先生の一番の自慢は、昭和12年の開業以来、一人として島浦で、あるいは御自分が手がけられた妊婦で死産を出さなかった、また、母体が亡くなるといった悲惨なことがなかった、それだけを念頭に置いて仕事に取り組んでこられたということを言っておられます。このおばあちゃんが引退して10年ですが、今、方々から講演の依頼が舞い込んでおります。つい先日も、日向市の財光寺小学校で講演されました。その中で、戦争の話ですとか、昔はこんなに大変だったといった思い出話が主体になってくるんですけれども、子供たちは、やはり命は大事なんだと。そこで性教育的なことが取り組まれて、大変相乗効果をもたらしたという称賛の声も聞いております。性教育、真正面からだけじゃなくて、そういった側面からも、いろんな先人たちのアドバイスをいただきながら子供たちに説いていったら、もっともっと効果が広がるんじゃなかろうか、このように思っております。 続けます。また、このように厳しい現状、人工死産率にいたしましても、性病罹患率にいたしましても、本県の場合は厳しい現状にあるわけなんですが、背景を追求していきますと、男女の格差というものもその一つとして見えるんじゃなかろうか、このように思います。決して本県の女性の地位が低いというわけではないんですけれども、子供を産みにくい、産んでも育てにくいというさまざまな要素が考えられます。再就職の場を確保するのが難しい、パートになると賃金の低下が著しいという経済的なことであったり、出産・育児、また介護は妻の仕事といった意識であったり、どれも一朝一夕でなせることではありません。しかし、行政がそれらのために率先して対応すべきではないかと考えております。そこで、男性側からの理解や協力度合いを伺いたく、県庁内における育児あるいは介護休暇の実態をお聞かせいただきたいと思います。総務部長、お願いいたします。 ◎総務部長(渡辺義人君) お答えいたします。 平成18年度について申し上げますと、男性職員の育児休業取得者は3名であります。また、介護休暇取得者は4名となっております。 ◆(松田勝則議員) これは、知事部局だけじゃなくて全部局の職員さんの話なのでしょうか。 ◎総務部長(渡辺義人君) 失礼いたしました。県庁内の全部局ということであります。 ◆(松田勝則議員) わかりました。決して少ない数字じゃないと思います。しかし、もっともっと促進するために、県の男性職員に育児休暇とか介護休暇をさらに勧めるような取り組みはどうかと思います。私も民間会社におりましたときに、いろいろな休暇制度がありましたけれども、やはり、忙しいときにやってくる出産あるいは介護といったものに対して、休むのに少し後ろめたさがあったりしました。そういうときに、上司からあるいは会社から一声声かけがあると、そういった制度を利用しやすいという経験がありました。こういった部分で、県の中で推進の取り組みはいかがか、重ねてお伺いいたします。 ◎総務部長(渡辺義人君) 職員が仕事と家庭の両立を図ることができるように、男女いずれにおいても、必要に応じて、先ほど申し上げました、育児休業制度あるいは介護休暇制度の活用がなされるということは、大変重要なことであるというふうに考えております。これまでも、これらの育児休業や介護休暇のほかに、例えば男性職員の育児参加休暇というものがございます。それから、子供に対する看護休暇というものもございます。そういった休暇など、育児や介護等を行う職員を支援する制度につきまして、会議、その他の方法を通じまして、職員への普及啓発を図ってきたところでありますけれども、御指摘のあったような趣旨は、十分、私どもとしても理解できるところでありますので、今後とも、制度の一層の周知徹底を図りますとともに、何よりも、職場での所属長の理解ですとか、周囲の職員の協力というのが欠かせませんので、そういった取得しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。以上であります。 ◆(松田勝則議員) 今、県庁内おける介護・育児休暇の推進について伺いましたが、一番主眼とすべきは、県内の民間企業、とりわけ中小企業への指導をもっともっと県庁が率先してやりましょうということを申し上げたいと思います。県内の法人企業に、そういった制度がどこまで普及しているのかわかりませんけれども、その制度の推進のために、もっと県庁が率先して汗をかくべきではなかろうか、このように提言させていただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。ほかの議員、先輩議員が再三再四質問しておりまして、取り尽くされたなという感じがしておりますけれども、いわゆる限界集落について伺いたいと思います。 限界集落、最近、本当によく聞く言葉になりました。これまでは過疎地として表現されてきた集落、村が、限界といういささかショッキングな響きをまとってクローズアップされております。では何をもって限界なのか。2つの要件があります。その集落の人口の半分以上が65歳以上のお年寄りであるということ、2つ目、共同生活の維持が困難な状態だということ、冠婚葬祭がもはや村では行えないという状態。この限界集落、先ほどの答弁にもありましたけれども、正式な行政用語じゃなかったんですね。そうだと思います。限界というレッテルを張られたら、もう村おこしに立ち向かう意欲もうせてしまいます。本県では、国土交通省と同じく、こう呼んでおります。「維持・存続が危ぶまれる集落」という表現をとっておられます。私は舌をかむといけませんので、「いわゆる限界集落」という言葉を使わせていただきます。 平成18年度、国交省の「限界集落調査・国土形成計画策定のための集落に関する現況把握調査の最終報告書」には、農山漁村集落の今後のあり方を検討するとして、さまざまなデータが記載されております。予想どおり、今後消滅の可能性のある集落は、規模が小さくて山間地にあると。九州圏では消滅可能性のある集落が1万5,277集落とされているんですが、一番驚いたデータは、予測がつかないということです。いつ消滅するのか、10年後に消滅するだろう、20年後に消滅するだろう、5年以内は大丈夫だろう、さまざまなシミュレーションがありますが、それにのっとらずに集落は消滅しているという事実がございました。 さて、宮崎の過疎地域市町村は17カ所です。県土の約半分以上56.2%、県人口の12.6%に当たります。昭和45年の過疎地域対策緊急措置法以来、平成17年まで、宮崎では35年間で、県、市町村合わせまして2兆1,800億円を投資してきました。その投資額の55.3%が道路網の整備とのことですが、依然、道路整備の要望は後を絶たない状態です。ドキュメントの映画がありました。「寒川」です。宮崎の小さな村々への関心もぐっと高まりました。西米良の寒川のような既に消滅した集落がどれぐらいあるんだろうかと、お尋ねをいたしましたら、これも驚きました。県には、宮崎県内で消滅した集落のデータがないということでございました。どんな厳しい時代にも先人たちが守り、子供たちの笑い声が絶えなかったふるさとの村々です。その村が皮肉にも、こんな豊かな時代に消えようとしています。ひとり山里の暮らしの存続云々にとどまらず、国土保全といった大きな環境の視点からも、日本の国にとり大きな課題となる集落対策、宮崎県が今まさに進めております集落の現状に関する調査の進状況について、地域生活部長にお伺いいたします。 ◎地域生活部長(丸山文民君) 現在、県が行っております集落の調査でございます。これにつきましては、午前中も黒木議員にお答えしましたように、県内の過疎地域等市町村の集落の実態を把握するということが一つ、それから、平成13年度、前回調査しましたデータと経年比較しまして、過疎地域における集落状況の変化を把握すること等によりまして、今後の集落整備のあり方に関する検討の基礎資料とするため、市町村に対してアンケート調査を実施したところであります。現在、市町村からの回答を集計中、そして精査中でありますので、近日中には公表できるものと考えております。以上です。 ◆(松田勝則議員) データをもとにした前向きな施策を期待いたします。 時間がなくなりました。最後になります。県北の悩みです。進まぬ道路整備の状態についてお伺いいたしたいと思います。 宮崎をどんげかせにゃいかんというプロジェクトの羅針盤たるべき「新みやざき創造計画」の基本目標は、県内の格差をなくすこと、県土の均衡ある発展を目指すことだとうたっております。私は、その昇華した形が県民総力戦であろうと思っております。そうしますと、宮崎の地域振興ビジョンは、一律的じゃなくて、それぞれの地元の特性を踏まえた独自性のある発展ビジョンでないといけないと思っております。将来にわたって自立のできる県土の形成に向けた施策の展開を期待しております。 さて、自立のできる県土の形成、さまざまな要素が挙げられますが、なかんずく急務とされるのがインフラの整備です。特に県北地域、宮崎県は高速交通ネットワークの空白地帯と言われております。東九州自動車道九州横断自動車道延岡線の早期完成は、地域の流通経済に不可欠であるといたしまして、国、県の努力により着々と進行しています。しかし、地元に目を向けますと、生活道路はおくれ、地元住民の生活の発展を大きく阻止しております。平成18年4月1日現在の道路施設現況調査を見ました。土木事務所別の道路改良補装現況を見ると、5.5メーター未満の路線を含む規格改良率、宮崎土木事務所は土木事務所計で81.1%、日南土木事務所は74.6%、都城土木事務所89.2%、日向土木事務所46.9%、延岡土木事務所57.2%、西臼杵支庁45.4%。総合改良率の64.5%と比べても、県北は格段に低いというデータがあります。また、県南との格差もございます。地形の条件など県北が不利であることは承知ですが、それにしてもこの格差は看過できません。この結果は予算の執行にも起因するのではないかと、地元は歯ぎしりをしております。県北の道路、特に日常の生活や集落の維持に大きくかかわる地方道の整備のおくれについて、県の見解を県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(野口宏一君) 県北地域の道路整備、県道整備についてでございますが、県北地域は、今、議員からお話がございましたように、山地部の占める割合が約87%と、県全体の約76%を大きく上回っておりまして、整備に当たっては、橋梁を初めとした構造物が非常に多くなるなど、建設コスト、整備コストが割高になるという課題があり、県道整備のおくれに大きく影響しているものと考えております。しかしながら、今お話がございましたように、日常生活の利便性向上を図るためには、県道の整備が大変重要でございますので、延岡市街地へつながる八重原延岡線を初めといたしまして、日之影宇目線や樫原細見線などの整備に現在努めているところでございます。今後も、県北地域の生活道路でございます県道について、事業の重点化やコスト縮減を図りながら、整備推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆(松田勝則議員) 特に県北は急峻な山岳地帯であり、そういったトンネル、橋がかかると聞いております。そのためには、予算の段階でも、そういったことを御勘案いただきまして、県北の道路、また、宮崎県全体の道路にも目を向けていただきたい、このように思います。 以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(坂口博美) 次は、5番武井俊輔議員。 ◆(武井俊輔議員) 〔登壇〕(拍手) 愛みやざき、武井俊輔でございます。今回で2回目の質問になりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 私は、宮崎市内の橘橋のたもとにあります観光宮崎の父、岩切章太郎像の前で演説をしておるのでございますが、その岩切章太郎の言葉の中に「心配するな工夫せよ」という言葉がございます。今回の質問は、お金をかけてこれをつくれ、あれをつくれ、これをやれということではなく、いかに現状において工夫して改革するか、こういった岩切の理念に基づいて、その観点をもって質問してまいりたいと思っております。壇上で5問、後は自席での質問とさせていただきます。執行部の皆様には、30分、短い時間ですので、明確な答弁をお願いいたします。 では早速、通告に従いまして質問に移らせていただきます。 まず、宮崎県事業仕分け委員会についてお伺い申し上げます。 これは、知事のマニフェストに基づきまして設置されたものでございますが、宮崎県が行っております約4,300の事務事業に対し、精査したものであります。宮崎県において初めて実施された事業でもありますし、私も、暑い夏でしたけれども、何度も傍聴に行きました。そういたしますと、多くの市民の皆さんが暑い中、一つ一つの内容について誠実に議論しておられました。本来ならば議会の役割である部分も大きいのかなということも率直に感じました。しかし、これは1回目の事業ということであり、また、検討課題もいろいろとあったのではないかと思います。知事にお伺いいたします。今回の事業仕分け委員会の提言への感想、並びにその重みについてどのように認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。 続きまして、知事のイラストの問題についてでございます。 私は、さきの6月議会においても、この問題を取り上げましたが、その後にも、残念ながら台湾産ウナギ、地鶏の誤表示など、これに関連する問題も多くございます。しかしながら、知事は定例記者会見等におきましても、県として管理するのは難しいといった姿勢を一貫して貫いておられます。現状の県としての公的な対応は、ホームページに注意喚起をした程度でございます。私が所属する商工建設常任委員会におきましても、商工観光労働部は、業者がつくるのも自由、使うのも自由という見解を相変わらず崩しておりません。しかしながら、町なかには広告や表示に知事の顔があふれた状況にあります。中には、知事や県の品格を汚すようなものもあるのではないかと思います。知事は宮崎県の顔であります。その重みも踏まえますと、これは重ねて県において管理する必要があると考えますが、知事の御見解をお伺いしたいと思います。 続きまして、県内学校卒業生を宮崎に残すための対策についてでございます。 昨今、全国的に学力低下が叫ばれており、この議会でも取り上げられておりますが、県教育委員会でもさまざまな対応がありまして、私の母校でもございます県立宮崎西高校などで中高一貫教育を取り入れるなど、積極的に取り組んでおられることは評価できるところでございます。しかし、現在、高校を卒業し、県外の大学に進んだ学生が宮崎に戻ってくるのはなかなか難しい状況にあります。確かに就職先の問題もありますが、私も東京の大学を卒業しまして宮崎県内の民間企業に就職いたしましたし、もっと宮崎に関心を持ち続け、常に宮崎の情報に触れ、コミュニケーションを持ち続けることが大変重要ではないかと考えております。つきましては、まず県立高校においては、普通科、実業系を問わず、宮崎で活躍する人材を育成するということも大変重要な課題であると思いますが、教育委員会としての認識及びそのための取り組みについて、教育委員長の見解をお伺いしたいと思います。 続きまして、職員の皆さんが力を出せる環境づくりについてでございます。 議員になりまして、職員の皆さんとも話す機会が多いのですが、そこでよく伺いますのは、昼休みが45分というのは大変きついという話でございます。現在、県職員の昼休みは、労働基準法に基づきまして、12時15分から1時までの45分となっております。以前は、12時から15分間は休息時間ということで、自席での食事等は可とされておりましたが、現在はそれも許可されておりません。近隣の自治体等を見ますと、15分の休息時間も維持し、また事実上は12時からの食事等の外出も許可されておるところもございます。私も複数の民間企業に勤務しておりましたが、昼休みはいずれも1時間ございました。この昼の15分というのは大変貴重でございます。これは皆様もおわかりになるのではないかと思いますが、例えば、銀行での用務をしたりとかスポーツ・マラソンをされる方もいらっしゃいます。また、それによって、県庁や県の出先機関周辺の食堂などにもいろんな経済効果もあるでしょうし、また、同期や同僚と食事をしたりすることで情報交換もできるなど、多くのメリットもあると思います。もちろん、介護や育児、遠距離通勤による電車の都合もあるでしょうから、例えば選択制にするなどということも考慮しながら、昼休憩を1時間行うことができないか、総務部長にお伺いしたいと思います。 壇上から最後でございますが、公衆浴場法施行条例についてであります。 これは通告に混浴と書きましたので、一部誤解を生じてはいけないのですが、これは公衆浴場において家族湯を認めるべきだという問いでございます。昨今、旅行の個人化が進み、また団塊の世代と言われた皆さんの退職によりまして、熟年夫婦の旅行も大変ふえております。また、乳がん患者の体験者でつくる「1・2の3で温泉に入る会」代表の俵萌子さんも、昨年11月の朝日新聞へのコメントで、「大浴場に入れなくなってしまった。貸し切りぶろを利用しているが、いろいろ障がいを負っている人から楽しみを奪うというのはどうか」というような意見を述べておられます。 例えば大分県では、施行条例の中で公衆浴場の中での家族ぶろの設置は認められております。別府の温泉などでは家族湯がある温泉も多く、それもまた風物の一つとなっております。また、兵庫県など、利用者の氏名の記載を条件に条例改正を行った自治体もございます。しかしながら、宮崎県では、条例の中で8歳以上の男女混浴は禁止としています。同じく、昨年11月19日付の朝日新聞によりますと、全国47都道府県で公衆浴場―旅館ではなくて公衆浴場。ですから、宿泊施設を伴わないところなんですが―の家族ぶろが認められていないのは12都府県、そのうち兵庫県は認められるようになりましたので、残りは11県、九州では宮崎県のみということのようでございます。旅館業法における旅館については、確かに現状も認められておりますが、昨今、さまざまな市町村にいわゆる立ち寄り温泉もふえてまいりました。本県でも、それらの視点にかんがみ、家族湯が認められますよう条例の改正を図るべきだと考えておりますが、福祉保健部長の見解をお伺いいたします。 以上で壇上の質問は終わらせていただき、後は自席に参ります。ありがとうございました。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(東国原英夫君) 〔登壇〕 お答えいたします。 事業仕分け委員会についてでありますが、事業仕分けについては、1日6時間にも及ぶ検討会議を計18回実施していただき、198事業について、「本来どうあるべきか」という視点と、現実的な問題点等も考慮した「現実的な対応」という2つの視点から、熱心な議論をしていただきました。去る11月13日に最終提言をいただいたところでありますが、提言内容や仕分けの過程でいただいた貴重な御意見、評価等につきましては、県民フォーラムや県民ブレーン座談会、県民の声などと同様に、今後の予算編成や事務事業の見直しの参考とさせていただきたいと考えております。 続きまして、イラストについてでありますが、似顔絵は、私の一身専属の肖像権に基づくものであり、私の肖像権は私個人の財産であります。これまで似顔絵は、県産品の販路拡大や地元企業振興の一助になればとの純粋な思いから、基本的には私の肖像権に関連させることなく、自由に使っていただいている状態でありますが、似顔絵がついているからといって、私や県がその商品等を推奨したり品質を保証したものではありません。議員のそういった周知をホームページに書いただけという御指摘がございましたが、私はテレビ、メディア等に出演した折に触れまして発信させていただいているところでございます。このような中で、産地偽装等の事例がありましたが、これらは本来、企業としてやってはならないことをやってしまったり、企業としてやるべきことをやらなかったことから生じた問題であり、仮に似顔絵を管理したとしても防げなかったのではないかと考えております。しかしながら、似顔絵の使用が広がっていく中で、さまざまな課題が出てきておりますので、似顔絵の使用のあり方については、現在、専門家や法律家の御意見も踏まえ、検討しているところでございます。以上でございます。〔降壇〕 ◎総務部長(渡辺義人君) 〔登壇〕 お答えいたします。 職員の休憩時間についてであります。休憩時間につきましては、御質問にありましたように、労働基準法で定める基準、すなわち勤務時間が8時間までの場合には、少なくとも45分の休憩時間を与えなければならないこととなっていることなどから、現在の休憩時間45分を設定しているところでございます。休憩時間を含む勤務条件につきましては、地方公務員法によりまして、国等の職員との間に権衡を失しないよう考慮する必要がございますけれども、今年の国の人事院の報告におきましては、国家公務員の勤務時間が民間企業の勤務時間に比べ、1日当たり15分程度長いことから、来年を目途に勤務時間の見直しについて勧告が行われる見込みとなっております。御質問の休憩時間の延長や選択制の導入につきましては、そういった国の動向や行政サービスへの影響等を踏まえ、今後検討してまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◎福祉保健部長(宮本尊君) 〔登壇〕 お答えいたします。 公衆浴場における混浴についてであります。不特定多数の方が利用される公衆浴場における混浴につきましては、公衆浴場法及び国の要領に基づき、全国的に条例等で禁止されておりまして、本県におきましても、条例で「介助を必要とする場合等を除き、8歳以上の男女を混浴させないこと」と規定しております。一方、ホテル・旅館などの旅館業におきまして、客室等に付設されております露天ぶろ等につきましては、宿泊客などの特定される方が利用されますので、混浴等での利用も可能となっております。県といたしましては、今後とも、風紀上の観点から、混浴可能な家族ぶろ等につきましては、利用者が特定される旅館業法に基づいて対処していきたいと考えております。以上です。〔降壇〕 ◎教育委員長(江藤利彦君) 〔登壇〕 答弁の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 それでは、お答えいたします。 子供たちの県内への就職の必要性や認識についてであります。職業選択の自由との兼ね合いで、非常に難しいテーマだろうというふうに考えます。そこでまず、教育とは、子供たちの持つ無限の可能性を引き出すとともに、人類の培ってきた文化を継承していく崇高な営みであります。一方、地域の社会や産業を支える人材を育成するという重要な役割があることも当然でありますが、地域で活躍したいと願う子供たちの夢が十分にかなえられない現状もありますので、産業界との連携による県内求人拡大へのさらなる取り組みが必要であると存じております。私は、子供たちが世界のどこでどのような仕事につこうとも、宮崎を愛し誇りに思えることは、人生の大きな支えになるものと考えております。また、そのような子供を育てることが宮崎の発展を支える人材の育成につながっていくと信じております。このような思いで本県教育の充実に邁進してまいります。 次に、県内就職への取り組みについてであります。たしか本年の初めごろであったと思いますが、私は、母校の「ようこそ先輩」という職業講座にお招きいただきました。そこで、私ごとではありますが、農業の経験や、本物の火消しである消防士から人の争い事の火消しである弁護士になった経緯や人生観、それにふるさと宮崎への思いなどについて話をさせていただきました。子供たちは真剣なまなざしで聞いており、将来の宮崎を託す子供たちが確実に育っていると感じたところでございます。このように地域や企業の方々と交流したり、地域産業のすばらしさを知ることは、子供たちの職業選択のためにも大変意義深いことでありますので、県教育委員会では、産業界などとも連携しながら、職業体験やインターンシップなどを推進しているところであります。また、求人開拓等の就職支援やキャリア教育等を積極的に推進しております。さらに、郷土の自然や文化、先ほど議員の御質問にありましたが、「大地に絵を描く」「心配するな工夫せよ」と県民を鼓舞されました岩切章太郎翁を初めとする先人など、ふるさとのよさを伝えることにより、幼いころから宮崎への思いが自然に芽生えるような取り組みも進めているところでございます。県内就職の向上は、魅力ある地域づくりや産業振興など、県全体の取り組みの成果でもありますので、さきに申し上げました取り組みを積極的に推進しますとともに、知事部局はもとより、産業界等との連携もさらに深めてまいりたいと存じます。以上であります。〔降壇〕
    ◆(武井俊輔議員) 御答弁ありがとうございました。 では、引き続きまして、自席から、まず事業仕分け委員会について御質問いたします。この件につきまして、総務部長にお伺いしてまいります。この仕分け委員会ですが、4,300ある宮崎県の事業の中から議論していったわけですが、この4,300の中から200を執行部が抽出して、その上で議論しているんですが、そもそもこの200はだれがどのような基準で議論すると決めたのか、御説明ください。 ◎総務部長(渡辺義人君) 事業仕分け委員会で検討の対象とした事業につきましては、県のすべての事業の中から―これは公共事業を除きますけれども―県単独事業など県の裁量の余地の大きな事業や多額の一般財源を要する事業を中心に、担当部局と協議して決定したところでございます。なお、義務的経費や施設の管理運営経費といった県の裁量の余地が小さい事業につきましては、1次検討として県内部で事業の仕分けを実施いたしましたが、その検討状況につきましては、事業仕分け委員会の各委員にも配付いたしまして、それらの事業の中から仕分け委員会のほうでも取り上げたいとの要望・意見があれば対応できるようにいたしたところであります。なお、このような措置をいたしましたけれども、結果として追加はございませんでした。以上であります。 ◆(武井俊輔議員) 確かに追加はなかったようなんですが、ただ、これは全部県の事業なんですけど、これを全部読んでみましたが、読み込むのに本当に3日かかりました。ですから、これをちょっと見せて、その中であるかないかというのは、これはどだい無理な話じゃないかなと私は思います。そういう意味では、実際には財政課と担当課が選んだものがそのまま議論になっているということに、結果としてならざるを得ないのかなと思っております。 その上で御質問です。今、裁量の余地というようなお話がありましたけれども、例えば、県単予算と言われる県の裁量の大きいものでも、ちょっと挙げてみますと、例えば広報紙「広報みやざき」の作成経費というのは、このファイルによりますと4,760万3,000円。ほかにも高額なものはいっぱいありまして、宮崎県情報発信マガジン「Jaja」発行事業2,529万5,000円、新聞広報8,402万7,000円、テレビ・ラジオ放送事業7,260万4,000円とか、非常に高額かつすべて県予算のものもあるんですね。もちろんテレビとかラジオというのは当然必要ですよ。だから、もちろん、別にやめろとか言っているわけではないんです。ただ、こういったものはすべて現状だということで議論されていないんですが、一方では、例えばえびの高原の清掃ボランティア補助金39万3,000円といったものは議論の対象になって改善すべきだとか、附帯意見としては、アウトソーシングすべきだとか見直せとか、いろんなことが出ているんです。財政課と本課で話し合ったんですが、では、そもそもなぜこういった県の裁量もあって高額でかつ非常に重複するようなものが、議論の俎上にのらなかったのかということについて、御見解を伺いたいと思います。 ◎総務部長(渡辺義人君) 先ほど私は、県の裁量の余地の大きな事業とか多額の一般財源を要するような事業を中心にということで申し上げましたけれども、今、議員から御紹介のあった事業につきましては、余り私どもとしては、県としての裁量の余地はそれほど大きくない、いわば広報経費とかいったものは、県のプロパー事業として、当然、外部委託等は活用しますけれども、そういった中で粛々と進めていかなければならないという視点で担当部局と協議の上で、そういった整理をさせていただいたということでございます。 ◆(武井俊輔議員) 大変苦しい答弁じゃないかなと思います。というのは、例えば県庁の写真広報、あれで300万ぐらいですか。ああいったものとかも本当に必要性とか、いろいろ見直していくものはあると思うんです。だから、同じ時間をかけるのであれば、こんな何千万のものを、例えば金額で一定額で切ってあるとかならばわかるんですけれども、非常にその辺の基準が不明確だなというのは感じております。 引き続いて、産業開発青年隊の問題について、それを踏まえてお伺いします。青年隊存続問題の経緯については、報道でも出ておりますので、改めてここでは申し上げませんが、この青年隊は、この委員会の中で不要とされた2つのうちの1つでございます。ところが、これは県土整備部の9月の委員会で配られた資料ですが、ここを見ますと、平成18年度に庁内で検討委員会を設置して、いろいろ縮小など考えたが、非常に存続は厳しいという結論が出たと書いてあるんです。つまり、県として、執行部として議論して、もうやめようというような方向が出ていたんですけれども、あえてこういうものをわざわざここで取り上げた必要というのは、どういう意味があったのでしょうか。全部、総務部長にお願いします。 ○議長(坂口博美) 総務部長ですか。 ◆(武井俊輔議員) 仕分け委員会ですので、総務部長にと思ったんですが、いかがでしょうか。県土整備部長がお答えになれば、どちらでも結構です。 ◎県土整備部長(野口宏一君) ただいまの産業開発青年隊の件でございますけれども、議員からお話がございましたように、県庁内部で18年度に、これからの存続等につきまして検討したというような経緯がございまして、その中では存続についていろいろな方法を検討させていただいたと。最終結論ではなくて、その中の一つ、選択肢として幾つかのものを挙げさせていただいているというような状況で、そのときまでの答えを出させていただいているということでございます。 ◆(武井俊輔議員) では、続いて青年隊ですので、県土整備部長に続けてお伺いします。結局、この事業が200のうちの2つを廃止するというふうに決めたものになった。もっと言ってしまえば、4,300のうちの2つということになるんですが、これを見ますと、本来、現実的な対応とはどうあるべきかとか、いろんなことが書いてあるんですが、この青年隊についてのみ、6人の委員のうち5人が要らないと、現実的にも要らないと、1人が民間にすべきだと、ほかのものに比べて、非常に突出してこれだけがそういう数字が出ているんですね。その上で、この青年隊の―これは9月の県土整備部から出された委員会資料なんですけれども、これを見ますと、ここに3番ということで事業仕分け委員会の意見というのがありまして、平成19年9月5日の事業仕分け委員会において、「役割は終わった」「費用対効果は低い」などの意見が出され、6人中5人から「青年隊に係る事業は必要ない」という評価を受けたというようなことが書いてあるんです。結局、18年には庁内で要らないんじゃないかという結論を出していて、ある意味では理由づけみたいなものなんですよね、こういう形で出しているというのは。ですから、あくまでも仕分け委員の皆さんというのは民間の方ですよね。民間の方が民間の視点で議論するということで、にもかかわらず、いざやめるとなったときに、こういった形で出すというのは、民間人というか仕分け委員会に責任を転嫁しているような説明ではないかと、大変問題があると思うんですが、いかがでしょうか。県土整備部長にお願いします。 ◎県土整備部長(野口宏一君) 先ほどお話しいたしましたように、18年度の検討におきましては最終結論というところまでは至っておりませんので、途中で選択肢としてこういうものがあるということを挙げさせていただいたものでございます。 ◆(武井俊輔議員) これは突っ込んでいってもなかなかしようがないと思いますので、この件について知事にお伺いしたいと思います。確認しますが、これから県がいろいろやめるとか、予算もないわけですから、やめるとか閉めるとか、いろんなものを削減するということがいっぱい出てくると思うんですね。そうしたときに「仕分け委員会が言ったから」といった説明を議会とか県民の皆さんにするというのは、大変よくないと思いますので、ぜひやめていただきたい、今後はないようにしていただきたい。あくまでもこの委員の意見というのは、知事なり執行部が参考にし、そしゃくして、最終的にどうするか、どう議会に言うか、どう県民に言うかというのは、県が自分たちの判断で行うべきでありますし、こういうのは一歩間違いますと民間人に責任をおっかぶせることにもなりかねないと思いますので、今後はこういった説明なり対応はしないということをぜひお約束いただければと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) 罪をおっかぶせるという意識は毛頭ございません。責任をおっかぶせるとか、そういう考えは毛頭ございません。この事業仕分け委員会というのは、これまで官がやってきたその事業について、一つ一つ民間の視点を入れようじゃないかというのが原点でございます。その提言は、今後、予算編成や県政運営を行っていく上で、あくまでも参考にさせていただくという立場でございます。最終的には県として意思決定をして、予算案等については、当然ながら議会の議決で決定するものでございます。県民の皆様からの御意見や御提言については、これまでも県民フォーラムや県民ブレーン座談会、県民の声などの機会を通じて伺ってきております。さまざまな角度からの御意見に耳を傾けるということは、県政運営をやっていく上で重要かと考えております。御指摘の議員の意見は、今後、検討させていただきたいと思います。 ◆(武井俊輔議員) お答えに、ちょっと不満なところもあるんですが、結局、県土整備部からこういう形でのプレゼンがありました。そうすると、当然委員会では、ではこれはだれが議論したのかとか、どれぐらい議論したのかとか、我々は初めて聞いて、これだけ大きな形で取り上げられれば、そういうふうに感じるわけですから、こういうことは非常に問題があるということを重ねて申し上げておきたいと思います。 続きまして、この仕分け委員会については最後でございますが、この仕分け委員会がなぜ議案として提案されなかったのかということについて、これは議案ですから総務部長にお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(渡辺義人君) この事業仕分け委員会、議案ということは予算であろうと思いますけれども、予算は確かに当初予算等には計上いたしておりませんので、財政課が所管しております一般管理費の中で措置いたしたものでございます。この事業仕分け委員会を公式に実施するということを決めましたのは、本年の3月に財政改革推進計画、第2期の分でありますけれども、これを策定したときに、その中で県として公式に明記したものでありますので、当該段階においては当初予算の編成は既に終えておりました。ただ、経費としては、内容的にはこれまで事務事業の見直し等も行ってきておりますので、そういった既定経費で十分対応できるということで判断したところでございます。 ◆(武井俊輔議員) 当然、補正で出すということもできたわけですよね。私、財政課から資料を取り寄せてみたんですが、それを見てみますと、委員の日当が1日2万円、全委員総計で315万円払っているんです。旅費はもちろん別ですよ。これを財政課の調整費でというのは、非常に問題があると思うんですね。謝礼金として300万以上払う審議会なんて県内にそうないですよ。先ほど、えびの高原のボランティアというのを取り上げましたけど、それから考えると7~8倍ありますよね、300万というと。知事の諮問委員会とはいえ、これは別に知事のお金でやっているわけじゃなくて県費でやっているわけですから、こういったものはちゃんと事業概要がこうで経費がこうでと、必要ならば補正するということもできたと思うんですが、何で補正で上げられなかったのかというのをもう一度お伺いしてよろしいですか。 ◎総務部長(渡辺義人君) 先ほどお答えいたしましたとおりでありますけれども、ただいまの議員の御意見については、御指摘として受けとめておきたいと思います。 ◆(武井俊輔議員) こういった形で非常に内容はよく議論されていたことは、私もこういった委員会に民間人であったときに何度も入っていましたから、よくわかっております。ただ、こういったあり方をきっちりしていかないと、せっかくのものも台なしになってしまいますので、ぜひ今後は、今の問題点を踏まえてよろしくお願いしたいと思います。 時間も大分超過してしまいましたので、次に進みます。イラストの問題を質問させていただきます。ちょっと済みません、話がずれてしまうんですが、きのう知事の紅白の審査員の出演というのが一部に報道されていたんですが、出演の御予定というのはいかがなんでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) そういったオファーは、今のところ一切私のところには来ておりません。 ◆(武井俊輔議員) ありがとうございます。とはいえ、こういうふうに話題になるぐらいですので、流行語大賞ということも含め、まさにこの1年を象徴するようなことでございまして、ことし1年は、まさに知事に始まって知事に終わるのかなというような感じもいたします。ただ、このイラスト問題、まさにそんなときだからこそ、私はしっかりと対応するべきだと思っております。まず、個人的に検討されているということが先ほど答弁でもありましたが、大体いつぐらいまでに結論を出して、いつぐらいからどういう対応をしたいというふうにお考えでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) 今のところ、できるだけスピード感を持ってと思っております。専門家あるいは法律家等と意見交換をしておりますが、これは非常に複雑で多岐にわたる問題を含んでおりますので、具体的な期日というのは明言できませんけど、年内はちょっと無理かなという感じはしております。 ◆(武井俊輔議員) 検討されているのはわかりました。しかしながら、事態は非常に深刻なんですね。配付資料をごらんください。これは知事のイラストの数々でございます。右側は私が6月に取り上げたものですが、一番左のものは、いわゆる出会い系サイトの広告でございます。風俗店の広告なんですが、本来ならば、これ全体を配ろうかと思ったんですけれども、およそ口に出せないような表現もありましたので、あえてこの部分だけ抜き出したんですが、にやけた感じで知事が描いてあるんですが、多分、知事は把握されていらっしゃらなかったと思いますが、これを見てどのようにお感じになりますか。 ◎知事(東国原英夫君) 風俗店の宣伝に私のイラストが使われているというのは、非常に因縁めいたものを感じます。(笑声) ◆(武井俊輔議員) ですから、そういった過去のイメージまで含めて使われてしまうんですね。いいですか、これはちょっと厳しく申し上げないといけないんですが、知事の顔は宮崎県の顔ですから、この顔が風俗店の広告に使われているというのは、宮崎県民―私、議員というより一県民として耐えられません。私たちは東国原英夫さんに質問しているんじゃなくて、宮崎県知事に御質問しているんです。もうちょっとしっかり答えていただけませんか。 ◎知事(東国原英夫君) 私は県知事としてお答えしております。 ◆(武井俊輔議員) わかりました。しかし、これは因縁だとかおっしゃいますけれども、知事がそうやって自主性に任せて、県がこの方針を貫いてきた、その結果がこういうイラストを生んでしまったんです。これはつまり、起こるべくして起こった、しようがないというような理解でよろしいということですね。 ◎知事(東国原英夫君) こういうことに関しましては、先ほどと重複しますけれども、食べ物あるいは道具あるいはそのデバイス、そういったものに関して、品質管理、県のイメージをおとしめることなくということは、業者さんにお願いを、再三、注意喚起をしているわけでございます。 ◆(武井俊輔議員) 風俗店の広告にどういう品質があるのか、さっぱりわかりませんけれども、そういうことなんですね。非常に何かお答えのしようもないところなんですが、何度も申し上げますが、これは県として管理する機関を設置するべきなんですよ。委員会で議論しても、これは知事の似顔絵ですから秘書広報課、これは物品ですから商工観光労働部、農産品ですから農政と大変残念な対応で、正直言って話になりません。先日、私たち特別委員会で島根に行ってきたんですが、島根県では県産品の活用のために、しまねブランド推進課というものを、島根県の農林水産部、商工労働部、共管の組織としてつくっています。こういった縦割りというか、非常にいろんな部がこれはこうで、これはこうでと言いますから、こういった知事の似顔絵、ブランドにしっかり対応する組織を、部を超えたところでつくるべきじゃないかと私は思うんですが、知事、いかがでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) 先ほどから再三申し上げますとおり、専門家の意見も踏まえながら、どういった取り扱いができるか、例えば全部中止するのか、一部中止するのか、あるいは存続する、維持するのかといったことを、いろんな視点に立って今検討中でございます。例えば、この不適切なと議員がおっしゃった広告ですけれども、こういったものを県が管理して、全国あるいは世界に広がったときに、どうやってどこまで管理できるのか、私は疑問ですね。 ◆(武井俊輔議員) 知事は一身専属の肖像権ということをおっしゃって、結局それを行使しないという形で、最初はずっと県産品の向上とか、そういうことをおっしゃっていましたよね。確かに、知事のイラストがつくことで宮崎県のものが売れるのであれば、宮崎県の工業とか商業の方が元気になるのであればいいですよ、わかりますよ、それが全国に、世界に行っても。でも、これは県外のこういったものにまで使われてしまう。ほうっておくということがいかに危険かということを、改めて執行部の皆様全員に御認識いただきたいと思います。 その上で、まだ続けてこの問題をやりますが、今おっしゃったような問題もありますから、時間がかかると思うんですが、私はすぐやるべきことがあると思うんですね。今回の地鶏の誤表示の問題でもそうなんですが、結局は県外のお客さんは、幾らホームページでうたおうが知事がおっしゃろうが、知事の似顔絵がついていれば宮崎県が推奨しているものだと思うわけですね。そうであれば、例えばたばこの広告のように宮崎県非公認とか、そういうことを業者にちゃんと書かせるといったことを―業者の中でもイラストを扱っている大手は5社ぐらいということですから―業者に対して要請していくとか、そういうお考えはありませんか。 ◎知事(東国原英夫君) 県が管理することができないのであれば、県が公認しているものではないと表示しろということは、よく考えると、県が管理することができないのであれば、県が公認しているものではないと明示させろと、これは同じ管理ですよね。県が公認しているものではないというのを明示させろという、これはある意味強制ですから管理が伴う、同じ管理でございますよね。例えば、公認しているものではないというものがどれぐらいの字の大きさなのか、目に見える大きさなのか、小さく書いてもいいのかとか、そういったものも含めて、どういった管理をしなきゃいけないのか。非常に膨大なエネルギーと手間暇がかかるように予想されます。ただ、私は再三申し上げますとおり、業者さんには、品質管理あるいは不良商品を出さないようにという注意喚起を、あらゆるところで行っているところでございます。 ◆(武井俊輔議員) 質問にお答えいただいていないように思うんです。つまり、知事はイラストに対して一身専属の肖像権をお持ちなんですね。一身専属の肖像権をお持ちでしたら、一身専属の肖像権を持つ東国原英夫氏が宮崎県知事である、ついては、私のイラストがついていると宮崎県の産品と誤解されるおそれがあるので、それはそうでないということを表示してほしいということを言うのは、何ら不自然なことではないですし、大きさとかそういうことは別に後で考えればいいことで、決してそれ自体の管理を今宮崎県がしているものはないからできないということにはならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) 県が公認しているものではないということを表示してくださいというお願いはできますよ。それを管理はできないと申し上げております。 ◆(武井俊輔議員) では、それをお願いする意思はございますか。 ◎知事(東国原英夫君) 検討させていただきます。 ◆(武井俊輔議員) ぜひよろしくお願いします。 引き続いてでございますが、例えば車のローンのCMで、御存じかわかりませんが、知事が車に乗ってきて、イラストが動画になってしゃべるものとかあるんですね。あと、例えばイラストから吹き出しがあって、これは紙でもコメントが出るようなものとかあるんですが、特にこういうものは内容を推奨していると誤認させる度合いが非常に強いと思うんです。こういったものもあわせて一定の規制を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎知事(東国原英夫君) その動画については、私は把握しておりませんものですから、どういった程度のものかという現状を把握していないので、コメントできないと思います。 ◆(武井俊輔議員) わかりました。この問題もまだいろいろあるんですが、また今後、委員会等でも進めていきたいと思います。イラスト関係は以上で終わります。 時間がありますので次に移ります。県立看護大学の問題についてでございます。県立看護大学が非常に質の高い教育を行っていらっしゃることは、先日伺って薄井学長にナイチンゲール看護のお話などもお聞きしまして、よく理解いたしました。しかしながら、この看護大学でございますが、今議会でも黒木覚市議員、鳥飼謙二議員が取り上げておられますが、卒業生に占める県内就職者の少なさが非常に懸念されます。昨年度で言いますと、96名の卒業者のうち県外が55人、県内が35人、県内就職率37%でございます。また、県内でも、鳥飼議員のきのうのお話にもありましたが、非常に看護師が不足しているという中でございます。19年度の入学者の割合でいきますと、県内からの入学者が102人中66人、率にして64.7%、つまり率がほぼ逆転しているわけです。ということは、県内の学生の多くが県外に流出しているということを示しているわけでございますから、非常にその問題は根が深いのではないかと思います。これは民間ではなくて県立の看護大学でございますから、県立の看護大学である以上は、県内就職率を高める対策が必要であると考えておりますが、福祉保健部長の見解をお伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(宮本尊君) 県立看護大学は、開学から10年経過いたしまして、その間に7期の卒業生を出しております。この卒業生の県内・県外への就職の割合は、昨年度は御指摘のとおり38%台でありましたけれども、おおむね5対5で推移しております。入学生も同じような県内・県外の比率でございます。県におきましては、これまで入学生の県内出身枠―18名でございますが―を設けるとともに、県内出身者に対する入学金の減額を実施するなど、主に県内出身の入学生をふやすことを通じまして、県内就職の促進に努めてきたところであります。県といたしましては、御指摘のとおり、県内就職の促進は大変重要であると認識しておりますので、卒業生の就職先であります県内の医療機関を初め関係機関の御協力もいただきながら、今後、入試における県内出身枠の拡大など、多様な視点から創意工夫に努めてまいりたいと考えております。 ◆(武井俊輔議員) 続いて、この問題、知事に1点お伺いしたいと思います。例えば、昨年の卒業後の就職先の資料をもらってきたんですけれども、昨日から植木局長のいろんなお話も聞きましたが、昨年は県病院が7人、それに対して東京の慈恵医大だけで12人行っているんです。こういった状況が改善されなければ、県立としてこの大学を運営していくということに対する意義は大きく問われてくると思うんですが、知事は、今の一連の答弁を聞かれて、どのような問題認識をお持ちかお聞かせください。 ◎知事(東国原英夫君) まず、県といたしましては、ナースバンク事業の中で、本県での就職を希望する県外で就職している看護師に対して、県内の求人情報などを提供するなどの取り組みは行っております。看護大学として、県外で働く同大既卒者への県内就職の働きかけについては、優秀な看護職者確保のための方策の一つとして、今後、研究していく所存でございますが、県内から県外に就職されるということは、県内では、それだけの魅力ある医療施設、充実した医療施設が、都市部よりは少し劣るのが現実なのかなという把握はしております。 ◆(武井俊輔議員) それは宮崎県の医療機関に魅力がないということなのかというふうにも聞こえてしまうんですが、とはいえ、これはつくるときに100億円以上かかっているわけですよね。この看護大、120億だったと思うんですけど、今、交付税措置もありますけれども、莫大なお金をかけて、県として運営しているわけですから、職業選択の自由があるとはいえ、ちょっと他人事のように感じます。ぜひこれは、もっとちゃんと具体的に計画等も含めて考えていただいて、これが看護大学として県民に愛される大学になるように希望したいと思います。 続きまして、今、県内の話を、先ほどの教育委員長のお話も含めてしましたが、今度は県外に出た学生のフォローアップについて、これは総合政策本部長にお伺いしたいと思います。宮崎県は県外に、東京、大阪、福岡に出先の事務所を持っております。それぞれ情報取得、企業誘致などの役割を担っておりまして、私も東京事務所には、東京に行くたびにお伺いさせていただくようにしております。しかし、私も宮崎の高校を出て東京の大学に行ったんですが、その存在感はほとんどないと思います。事実、私も東京の大学に行きましたが、この宮崎県東京事務所というのは存在すら知りませんでした。 そこで、これから宮崎に戻ってきてもらうということも考えますと、この県外事務所がもうちょっと情報発信機能みたいなものを担えないかと考えております。例えば、今は事務所という感じなんですけれども、もっと気軽に訪問してもらえるような雰囲気づくりをするとか、そういうちょっとしたスペースをつくるとか、そういうこともあるでしょうし、あとは例えば定期的なメールマガジンの発行とか、宮崎県出身者や宮崎県の経営者が見えたときに講演会をするとか懇親会をするとか、そういった形で学生にもっと関心を持ち続けてもらう対応をすることによって、宮崎へのUターンに関心を持続させていくことができるのではないかと考えております。私は、海外、シンガポールに住んでいたことがあるんですが、大使館が当然ありまして、大使館から定期的なメールマガジンがいろいろ送ってくるんです。そういうものは、遠く母国を離れた人間には大変貴重なものでございました。県外事務所が、もっと学生にそういった機能を担えるような存在になるべきではないかと思いますが、御見解をお伺いします。 ◎総合政策本部長(村社秀継君) 県外事務所についてのお尋ねでございますけれども、県外事務所におきましては、御案内のとおり、観光・コンベンションのPRですとか県産品の販路拡大、企業誘致、あるいは本県への就職・移住などの相談、こういった業務を通して、さまざまな情報発信・提供を行っているところでございます。東国原知事の就任に伴いまして、全国的に本県の注目度は飛躍的に高まっており、県外事務所への問い合わせ、あるいは相談等も増加いたしております。しかし、一方では、先ほどありましたように、本県出身の学生等を含め、事務所の存在を知らない方も多数おられるものと思っているところでございます。したがいまして、いろいろな機会を通じて事務所の周知を図りますとともに、先ほど言われましたように、若者が気軽に利用できるような事務所のあり方についても工夫してまいりたいと考えておるところでございます。 ◆(武井俊輔議員) ぜひよろしくお願いしたいと思います。このようにいろいろ、先ほどから教育委員長、福祉保健部長含めて御答弁いただきましたが、県内の学校で、そして県外に出てから、それぞれが、それぞれの立場でアプローチしていくこと、これが非常に効果的だと思います。何だかんだいっても、人口が減っていくというのは、何ら明るい将来の展望はないわけですから、こういう形で、少しでも県外に出た人、優秀な方が戻ってくるような仕組みづくりを、部を超えて連携して取り組んでいただきたいと思います。 最後でございます。あと1分も時間がないんですけれども、昼休みの待遇改善でございますが、これは確かに、国との調整というのもなかなか難しいということはよくわかります。ただ、今、待遇改善といっても、給料を上げるというのもなかなか難しい現状でございます。こういった形で、できることから知恵と工夫で能率を上げていくと。こういうことは県民サービスにもつながってきますので、重要なことだと思うんですが、どうでしょうか。部長自身は、個人的にはお昼休みが1時間あったほうがいいんじゃないかなとお思いになりませんか。 ◎総務部長(渡辺義人君) 武井議員から、職員の声について、実態のいろんな生の声のお話がございましたけれども、確かに従前、60分間の休憩時間ということで、ゆったりお昼休み時間はとれていましたので、その間にスポーツとか、外出して食事をしたりとか、そういった時間等も十分とれたわけですけれども、いかんせん国のほうで45分という指導等もございまして、それとの権衡上、45分ということにせざるを得なかったわけであります。私自身は45分間でも十分でありますけれども、今後、先ほどお答えいたしましたように、人事院の報告等もなされておるところでありますので、それらの状況等を十分踏まえながら検討してまいりたい、このように考えております。 ◆(武井俊輔議員) ありがとうございます。やはり、そういったところで県の職員の皆さんが元気を出して働いていただく、また、この県という職場がいつまでも学生の皆さんに人気のある職場であるというのも、大変活性化のためにも大事ですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 きょうは、なかなか厳しい質問もさせていただきましたが、知事人気の中で見えなくなっているもの、後回しになっているものがないか、執行部の皆様にはまた改めて見詰め直していただきまして、それぞれの部署で答えをいただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。本日はまことにありがとうございました。(拍手) ○議長(坂口博美) 以上で本日の質問は終わりました。 あすは午前10時開会、本日に引き続いて一般質問であります。 本日はこれにて散会いたします。   午後2時42分散会...